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2019-09-14 00:13
(連載2)金融緩和より金融軍縮会議を
中村 仁
元全国紙記者
そのようなプロセスを再生産させない。その努力が政治リーダー、中央銀行総裁らに求められる。そのような金融軍縮会議を開けと、力説したいのです。米中という二大経済大国が互いに課す関税率は平均で20%を越し、第二次世界大戦当時の30年代に匹敵する高さになりました(日経1日付け)。保護貿易と通貨切り下げ競争が、世界大戦の経済的な原因でした。両国は互いに譲る気配はなく、中国側は「発言がくるくる変わるトランプ大統領とは貿易交渉ができない」と、対決姿勢をとっています。
「第二次世界大戦」当時という言葉がしばしば、使われるのは不気味な感じです。せっかく環太平洋経済連携協定(TPP)で貿易障壁を下げ始めたのに、トランプ氏の指示で米国は離脱しました。
通貨切り下げ競争についても、トランプ氏はドル高にいら立ち、ドル安誘導の構えです。円は安倍政権になって、異常な金融緩和の影響から、円高から円安へと下落しました。最近は、米国の金利下げで円高に振れだし、景気停滞が進むようなら、日本も「金融緩和の追加(円安効果)を辞さない」と、日銀総裁が述べています。
「これは通貨切り下げ競争」だとは、政策当局者は口にはしていないものの、トランプ氏は明らかに、ドル切り下げの仕掛け人です。ドイツは欧州の統一通貨・ユーロのおかげで、旧マルクで比べると、マルク安といえ、輸出に有利に働き、実質的には「マルク切り下げ」になっています。中国の人民元も、11年ぶりに安値をつけ、トランプ氏は「為替操作国」に指定する措置をとりました。軍事力の行使ではなくても、もうこの状況は、形を変えた世界大戦と言えなくもありません。(おわり)
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中村 仁 2019-09-13 13:21
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中村 仁 2019-09-14 00:13
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