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2019-07-16 12:39
(連載2)アメリカが北朝鮮に譲歩した理由とは
倉西 雅子
政治学者
第一の推測は、米中対立を前提とした時系列的な流れから導き出されるのですが、トランプ大統領は、G20の席にあっては、習国家主席との友好をアピールすると共に、ファウェイ問題等でも妥協を見せています。アメリカの対中譲歩からしますと、第一の推測と現実は辻褄が合いません。
そこで考えられる第二の推測は、対立を装いながら、実のところ、世界の指導者と称される各国首脳が裏で繋がっている‘共謀の推測’です。‘共謀の推測’、あるいは、‘共謀仮説’とは、各国の国民を騙すための手法であり、国家間の対立は、国民に尤もらしい理由を説明するための演出や見せかけに過ぎません。外部的な対立が存在していれば、同対立を解決するため、あるいは、平和のためとして、自国の主権喪失となる政策や国民にとりまして望ましくない政策を国内からの抵抗なく実行できるからです。例えば、G20では中国はアメリカに譲歩する形で自国の市場開放を約束していますし、アメリカも上述したように対中制裁を控えています。
米中朝の三国関係も、それぞれが予め振られている役割を果たしたに過ぎず、何れの国の国民も不利益を被ることになるのです。乃ち、アメリカ国民は、安価な中国製品の輸出攻勢と産業の空洞化による失業問題等が放置される一方で、中国と北朝鮮は共に独裁体制をアメリカから保障されますので、国民の民主化や自由化の望みが遠のきます(経済的利権は独裁者とその取り巻きが独占…)。このシナリオで最も利益を得るのは、各国首脳にシナリオを与えつつ、グローバル化を影から強力に推進していると推定される国際金融組織ということになりましょう。
果たして、真実はどこにあるのでしょうか。‘共謀の推測’では、日本国政府は共謀の一味ということになり、中国や北朝鮮の軍事的脅威を名目に防衛費やアメリカからの兵器輸入を増額させざるを得なくなるのですが、このシナリオを完全に否定できないのが悲しいところです。仮に共謀シナリオが実在するならば、騙されている側の各国の国民、即ち、一般の人々が賢く協力し、世界支配、あるいは、人類支配の魔の手から逃れるべきではないかと思うのです。(おわり)
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(連載1)アメリカが北朝鮮に譲歩した理由とは
倉西 雅子 2019-07-15 13:47
(連載2)アメリカが北朝鮮に譲歩した理由とは
倉西 雅子 2019-07-16 12:39
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