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2019-07-08 16:14
(連載1)米朝会談、それぞれの思惑
岡本 裕明
海外事業経営者
それにしても電撃的な会談でした。しかも軍事境界線を踏み越えた点において、周到な事前計画というより、トランプ大統領主導の勢いで実現したと断言してもよいでしょう。当事国である3か国の首脳のそれぞれの思惑と私なりの感想を述べたいと思います。
まず、韓国、文大統領ですが、八方ふさがりの中、打開策が欲しかった点においてトランプ大統領の訪韓だけでもうれしいのに金正恩氏との会合までセットアップできて万感の思いだったのではないでしょうか?文大統領は「いい顔」型の性格で言わなければ良いことまでしゃべってしまい、自分をドツボに落とし込むタイプに見えます。つまり、今の文大統領を取り巻く状況は自業自得だったのですが、トランプ大統領に救われたわけです。(多分、ご本人はそう取らず、「俺の力がモノをいった」ぐらいに思っているでしょう。)
次に金正恩委員長。こちらもG20で首脳が日本に集まっているのに自分は蚊帳の外という疎外感と習近平国家主席に会って託したトランプ大統領へのメッセージがどう理解されるのか、気になっていました。金氏はトランプ大統領に直接の親書も送っていたわけでベトナムでの会談の失敗を取り戻す方策を考えていたところでした。理由は経済制裁が蝕む国家存亡の危機でありますが、金委員長のアメリカへの想いとトランプ大統領を振り向かせたい個人的気持ちがもっと強かったように見えます。
ではトランプ大統領、この電撃会談を実行した本人ですが、いくつか要因があると思います。一つ目は習近平氏との取引、二つ目は文大統領への貸し、三つ目はタイミングの問題です。このタイミングは誰も指摘していませんが、外交の世界は、7-8月は夏休みで通常、大きな動きは展開できません。トランプ大統領もG20をこなした直後でもあり、しばしアジア歴訪はなく、これからイラン問題が出てくるとなればこの機会を逃したら当分時間が取れないことを計算したのでしょう。(つづく)
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岡本 裕明 2019-07-08 16:14
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岡本 裕明 2019-07-09 11:13
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