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2019-02-19 11:40
(連載2)ポピュリズム拡散を背景とした世界の混沌
真田 幸光
大学教員
即ち、前述したリーマンショック以降、世界は景気を回復させるという名分で財政出動拡大した上、更にマイナス金利政策の導入、税金減免など、私の目からすれば、「禁じ手」も含めた様々な対策を打ってきましたが、しかし、世界経済に確たる景気回復は見られていますでしょうか?このままでは、「無政府状態、究極では戦争状態に陥る。」のではないかとまで心配してしまいます。
そして、私は思います。私が小学校の頃、先生に教わった大切なことの一つは、「混乱が大きければ大きいほど、皆で力を合わせて克服しなければならない。」ということでありますが、こうした、「世界的な協力、協調」を阻むものは、冒頭に述べた、世界的なポピュリズムの拡散であります。
最近では、トランプ大統領だけでなく、「熱帯のトランプ」と称されるブラジルのボルソナロ大統領、極右勢力の五つ星運動が権力を握ったイタリアのほか、トルコ、メキシコ、フィリピン、ギリシャ、シリアまで排他的国粋主義で武装したポピュリズム政権全盛の時代を迎え、ロシアや中国本土は自国内において、統制色を強めながら、「独裁色」まで深めつつ、世界的な覇権争いを展開しています。そして、こうしたポピュリズムの動きは、「自由貿易を否定、関税戦争に没頭する。経済危機に伴う打撃を最小化するには先手の構造調整が必要であるにも拘らず、政治家たちは、票には繋がらぬとこれを一蹴する傾向が強まっている。」と見られ、拡散している模様です。
世界は大混乱に陥りそうです。従って、日本も外需に基づく景気拡大を期待するのではなく、外需で稼いだお金がまだある中、そのお金を粛々と内需に回して、緩やかでも良いから、外需に基づくお金を背景とした内需の拡大を図り、外需と内需が共に回る、「安定成長経済システムへの移行」を明確に目指すべきであり、その為には、「公的セクターは、叡智を集め、日本がすべきインフラの再開発を、利権誘導を絡めずに計画、実行していくこと。」、「民間セクターは、人材不足の中、IOT化、AI化を意識し、省力化、機械化、自動化を推進。機械ができる仕事は機械に任せ、人は人しかできない仕事に集中するという改革を進め、人と機械が共生する先進国発展モデルをここで一気に確立する。」そして、「日本経済のアキレス腱となっている年金制度を抜本的に解決するため、国民全てが応分に痛みを分かち合い、新しい年金制度を構築する。」ことが今の日本に必要ではないかと考えます。ポピュリズムが拡散すれば、世界の混沌は深まるばかりです。立て、新生日本!(おわり)
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投稿履歴
(連載1)ポピュリズム拡散を背景とした世界の混沌
真田 幸光 2019-02-18 15:41
(連載2)ポピュリズム拡散を背景とした世界の混沌
真田 幸光 2019-02-19 11:40
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