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2007-05-08 15:47
東アジアの人材育成のためのイニシャティブ
河合正男
白鴎大学客員教授
4月25日付の池尾愛子教授の記事「東アジア官僚の誕生を期待する」には同感であるが、それに関連して一つ意見を申し上げたい。「東アジア共同体」実現に向けてもう一つ重要なことは、地域協力を進めて行くための人材育成ではないかと考える。
「東アジア共同体」の議論がここまで高まって来たのは、ASEANのイニシャティブによるものである。ASEANプラス3非公式首脳会議の開催がそのきっかけである。日本としては、今後ともASEANのイニシャティブを尊重していくべきであるが、ASEAN側からは日本がもっとイニシャティブを取って欲しいとの期待がある。
「東アジア共同体」の議論が高まるにつれ、「アジア主義」であるとか、「儒教文化圏」であるとかという、この地域の思想的共通項を見出そうとの議論も多くなっているが、欧州地域と違いこれは難しい、あるいは無理な議論である。それよりも重要なことは、この地域の発展を図る具体的な共同プロジェクトを一つでも増やす努力をすることである。また、共同プロジェクトを実施するための人材を育てることである。
東アジア地域で最も高いレベルの教育、技術を有する日本こそ、この分野でイニシャティブを取るべきである。行政レベルの共同プロジェクトのみならず、IT、エネルギー、航空、バイオ等々の高度技術の共同開発プロジェクトを東アジアの研究者が一緒になって実施するプロジェクトを日本が推進してはどうか。将来は、日本のイニシャティブで東アジア大学の開設を図ってはどうか。
私も大学で教えているが、学生達はアジアのことを余り知らない。我々は先ず、日本国民の東アジアへの関心を高めるところから始めなければならないのかも知れない。
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EU官僚に学び、東アジア官僚の誕生を期待する
池尾愛子 2007-04-25 22:57
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東アジアの人材育成のためのイニシャティブ
河合正男 2007-05-08 15:47
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