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2017-04-05 12:41
(連載1)日米経済関係
緒方 林太郎
衆議院議員(民進党)
今国会、日米経済関係が今度どうなっていくのかについて、色々な疑問が提起されています。そういう中、まだどういう協議がなされるかも分かりませんので、少し変わったアプローチで政府に質問主意書を出しました。決してこの主意書答弁で全体像が見えるわけではありませんが、示唆的な所があるのでご紹介いたします。
まずは、保護主義に関する質問主意書です。これまで、G20の財務大臣・中央銀行総裁会合後の声明では必ず「我々は、あらゆる形態の保護主義に対抗する」という表現が入っていましたが、直近の会合後の声明ではこれが落ちました。麻生大臣は「『毎回同じこと言うな』って言って、次のとき言わなかったら『なんで言わないんだ』という程度のもの」と言っているようなので、政府の認識を2点問いました。
答弁書では、日本の苦悩が見え隠れしました。私の「現在、日本はあらゆる形態の保護主義と対抗しているか」という問に対して、答弁は「我が国としては、現在も自由貿易の推進に取り組んでいる」というものでした。別にいいじゃないかと思われる事でしょう。しかし、アメリカは、トランプ政権になっても「自由貿易」を標榜しているのです。その「自由」の中に「公正な」という言葉を強く含めます。「公正でない貿易は、そもそも自由貿易の基盤になり得ない」、これ自体は正しい部分がありますが、それはともすれば偽装された保護主義になりかねません。だから、「あらゆる保護主義と対抗する」という言葉が必要なのです。
麻生大臣の言うように「毎回同じこと言うな」となっていない事はご理解いただけると思います。日本とて、アメリカの意向を忖度するがあまり、これまでのポジションと同じ事(「あらゆる形態の保護主義と対抗」)を言わなくなっているのです。正直、ここは「アメリカに気を使いすぎ」だと思いました。(つづく)
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