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2017-01-19 23:50
(連載1)期待と不安が入り混じるインド・ビジネス
真田 幸光
大学教員
一般的、相対的に言えば、「先進国の市場では、先進国であるが故に、耐久消費財を含む消費財が消費者に対して総じて行き渡っているので購買意欲が弱く、また、社会資本も整備されているので、インフラ開発の需要も弱い。需要が弱いことから、経済成長の原動力が総じて弱く、そうした意味からも、先進国は安定成長という名の低成長になり易い」と考えておくべきであると私は考えています。
そして、そうした現実があるので、先進国で、それまで、「規模の経済性」をベースにマーケットシェアを押さえ、発展してきた企業は、安定成長する先進国市場でのマーケットシェアの確保をベースとしつつ、その拡大のターゲットを、「まだまだ潜在的な消費意欲、インフラ開発意欲があり、かつ、国民所得が高まり、国家の財政基盤が確立しつつある、或いは国家の富の蓄積が見られつつある、かつ、人口の比較的多い新興国」を新たなターゲットとしつつビジネス展開をしていく傾向が見られます。
そして、これまでは、そうした新たなターゲットの筆頭として“中国本土”が世界から注目され、先進国の規模の経済性を追及する大企業たちはこぞって、「中国本土に対するビジネス展開」に注力し、またその結果、中国本土ビジネスの先進国企業間に於ける競争は熾烈となり、更にこの結果として、「中国本土ビジネスが抱えるリスクに対して、利益率が下がり、期待されたリターンが受け取りにくい」といった現象すら見えるようになってきました。
更にそうしたさなか、中国本土経済の減速が顕在化し、先進国企業の関心は、「新たな市場の模索、新たな市場開拓のための下準備」に入り、その関心の先の一つとして、「インド」が上げられるようになっています。確かにインドは人口12.5億人を抱える、潜在的な消費者の多い国であり、関心がここに向かうのはある意味では当然のことであります。また、国家経済規模も、GDP基準で見れば、既に、2兆米ドルを超え、注目されます。最近の物価上昇率も6%前後で推移しており、インド国内の購入意欲を示している数値を記録しています。失業率も最近は数%台となっており、経済の底力を反映させているような数値を示しています。貿易規模も輸出は3,000億米ドル強、輸入は4,500億米ドル強、その結果、貿易規模は7,500億米ドルを超え、貿易大国にもなりつつあります。海外からの直接投資規模も350億米ドルを超えました。(つづく)
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