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2016-10-04 14:09
(連載1)崩れゆく中韓関係
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
中国と韓国はこの5年間、蜜月時代を作り上げた。中国が経済成長を進める中、韓国は中国との関係を強め、大市場中国のもとで経済の新たな展開を目論んだ。第二次世界大戦における日本の謝罪問題、尖閣諸島(日中)と竹島問題(日韓)の領有権問題、台頭する安倍外交への反発から対日本に対して厳しくあたることでも共同戦線を組むことができた。中国にとってもアメリカと対峙するために、日米と韓国の関係を遮断する必要があった。
昨年までは中国経済の発展もあり、この中韓蜜月戦略は順調にもみえた。朴大統領は2015年の中国の抗日戦勝70年を記念した軍事パレードに西側の首脳として唯一出席した。最大のもてなしを受け、習近平国家主席と朴大統領の関係は強固なものと見受けられた。韓国内ではこれは好意的にみられ、その直後には朴大統領の支持率は50%に回復した。
しかし、中国経済が冷え込み始めると、中国依存を高めていた韓国経済も大きな影響を受け始める。北朝鮮が核開発やミサイル開発で韓国を威嚇するようになると、外交や経済で大きな問題を抱えていることが明確になってきた。北朝鮮の核ミサイルに備えるためにアメリカ政府の意向を受けて、中国が強く反対するTHAADシステムを韓国内に配備すると発表してから中韓関係は急速に悪化した。ちょっと前までの蜜月状態が信じられないくらいに厳しい関係になっている。THAADシステムが実際に配備されれば、中韓関係はさらに悪化すると考えられる。北朝鮮の核開発・ミサイル開発は止まりそうにないので、米韓関係を強める他に有効な手段は考えにくい。韓国はアメリカをとるか、中国をとるかの選択を迫られている。
経済的にも中国への依存は日韓貿易を急速に縮小させた。日韓通貨スワップも打ち切られたままだ。現在、再開の交渉となっているが、日本にとってはそれほどのメリットがあるわけではなく、反日姿勢が続く限りは再開にも消極的にならざるを得ない状況だ。(つづく)
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(連載1)崩れゆく中韓関係
児玉 克哉 2016-10-04 14:09
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児玉 克哉 2016-10-05 10:43
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