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2016-09-13 14:13
(連載1)袋小路に入り込んだ朴政権
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
「ハンギョレ」(日本版8月27日)が世論調査専門会社の韓国ギャラップが公開した世論調査の結果を報道している。韓国ギャラップの「資料によると、23~25日、全国の成人男女1001人を対象にした電話アンケート調査(信頼水準95%、標本誤差プラスマイナス3.1%ポイント)では朴大統領の職務遂行を肯定的に評価した回答者は全体の30%で、先週より3%ポイント下落」している。
朴大統領の任期は2018年2月までで残りは1年半になった。朴大統領が就任してからしばらくの間は、親中反日路線を明確にして、国民からの支持率もかなり高いものがあった。2014年のセウォル号転覆事故くらいから朴大統領支持率は下降傾向にあるが、最近は経済の低迷、THAADをめぐる中国との関係悪化、北朝鮮からの挑発などがあり、さらに低迷傾向にある。国民のムードを変えうるリオ・オリンピックでも期待通りのメダル獲得とはならなかった。韓国は夏季オリンピックでは最近は好成績を続けてきていて、日本のメダル数を引き離していたが、リオでは日本のメダル数を下回った。経済低迷など複合的要因から韓国に不満が充満しつつあるのは確かだ。
韓国は地政学上、非常に微妙な場所に位置している。中国、北朝鮮、日本、ロシアに取り囲まれている状態だ。これにアメリカが加わる。国の勢いがあるときにはこれはプラスに働き、こうした国々すべてと関係を持てるというメリットを得る。しかし、状況が悪循環してくると、どの国についても批判される非常に難しい選択を迫られることになる。朝鮮戦争はまさにこの典型的なもので、中国、ロシア、アメリカが覇権をめぐって激しく対立し、結局、朝鮮半島は分断され、さらに複雑な国際関係になった。
少し話は外れるが、トルコも地政学的に似たところがある。イスラム圏、ヨーロッパ、ロシア、アメリカのいずれとも関係を持つことができることはいい時にはプラスだが、状況が緊迫するとどちらを向いていいいのかわからなくなる。(つづく)
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