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2016-03-30 14:50

(連載1)新自由主義の廃棄に進む世界

田村 秀男  ジャーナリスト
 先月末に上海で開かれた20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議の共同声明では、「金融政策のみでは、均衡ある成長に繋がらない」と確認し、「機動的に財政政策を実施する」とうたった。欧州に続く日銀のマイナス金利導入を含め、金融政策効果の限界を認めて財政出動を促したのだ。

 チャイナリスクの深刻化、米国景気の足踏み、欧州の難民流入などと、危機が群発、共振・増幅するのに及んで、世界は金融偏重の新自由主義の欠陥に気付いた。G20前には、新自由主義のオピニオンリーダー、英エコノミスト誌すら、最近の「景気刺激策は尽きていない」という論説を掲げ、「財政政策と金融政策の融合」「紙幣を増刷して公共支出(または減税)を直接賄うヘリコプターマネーも選択肢の一つ」とまで踏み込んだ。

 日本はどうすべきなのか。デフレ不況局面では金融と財政の両輪をフル稼働させるべきだと、7、8年前から論じてきた拙論には、以下、遠慮なく述べる資格があると自負する。

 政府、国会、メディア、学会には危機感がまるで感じられない。異次元金融緩和と消費税増税・財政支出削減の組み合わせによるアベノミクスは、株価の急落とともに色あせ、経済成長率もマイナスに落ち込んだ。にもかかわらず、安倍晋三首相はハンコで押したように「リーマン・ショック級の景気収縮さえなければ来年4月からの消費税再増税を実施する」と繰り返す。冗長な民主党議員の国会質問を聞くと、財務省の緊縮財政主義に呪縛されたのは同党のほうが与党より重症だと分かる。デフレ容認・増税路線を推進した己の政権時代の致命的誤りを素直に認め、出直さない限り、安倍政権を追いつめることなどできるはずがない。(つづく)
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