ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
2016-02-17 10:50
(連載2)北東アジア情勢について
真田 幸光
大学教員
しかし、如何でしょうか? 台湾経済の対中依存度は、例えば、対中輸出比率が約25%、これは台湾のGDPの15%を超えており、中国本土経済の減速が続く中、今後、更にその成長が鈍化すれば主要産業において利益率の低下にさらされ、鴻海精密工業なども大きくダメージを受けることとなりましよう。
特に台湾経済の場合、産業を見ても、その産業の発展過程を見ても、OEM型企業が多く、「規模の経済性追求重視型企業」が多く、質より量を求める企業が多いことから、「潜在的な消費者の数、潜在的な労働者の数が多く、しかも言葉や文化が相対的には理解し易い中国本土へ依存し易い。」と言う背景を持っており、これから脱却するのは容易ではなく、一種の強迫観念にも似た思いで、「中国本土へ依存する。」と言った傾向が強いものと思われ、事実、台湾財界には、「民主進歩党が中国本土離れをし過ぎるのではないか?」と言う点に懸念を持っている人が多いと聞いています。
こうしたことを総合すると、私は、日本には、この潮目の変化に伴う一つのチャンスが来ていると考えています。
即ち、「台湾を味方陣営に取り戻したい米国」に対して、きちんと事前に米国の立場を理解しているとお断りをし、その上で、首尾よくいった場合には米国にも評価してもらえるように根回しした上で、台湾に対しては、量より質の企業育成の為のノウハウと関係緊密化を日本の優秀なる中小企業を選別した上で、その協力を仰ぎ、台湾の産業体質の転換を図るお手伝いをする。更に、そうした経済政策の遂行に関しては経済政策遂行手腕が未知数と見られている、台湾の蔡新政権との関係をしっかりと握る。但し、この際には国民党系企業経営者との関係も日本全体としては一応、きちんとキープしておくこととし、その上で、「こうした日台関係を軸に韓国に対しても、きちんと日本を尊重するように目に見えぬ形で圧力を掛ける。」と言ったことをし、日本の立ち位置をより明確、かつ、強化していくべきであると私は考えています。いずれにしても国際情勢の潮目は変わりつつあるようです。(おわり)
>>>この投稿にコメントする
修正する
投稿履歴
(連載1)北東アジア情勢について
真田 幸光 2016-02-16 16:15
┗
(連載2)北東アジア情勢について
真田 幸光 2016-02-17 10:50
一覧へ戻る
総論稿数:4819本
グローバル・フォーラム