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2015-09-29 10:50
(連載1)中立と公平
緒方林太郎
衆議院議員(民主党)
バン・ギムン国連事務総長が、中国の抗日戦争勝利70周年記念の式典に出たことについて、日本から「中立でない」と言ったら、国連側から「うちは中立ではなく、公平公正だ」と反論がありました。それに対して、菅官房長官がこの記事(http://megalodon.jp/2015-0907-1946-03/www.asahi.com/articles/ASH973V1TH97ULFA00K.html)のような反論をしています。私は事務総長の動きを是とするものではありませんが、この官房長官の反論はポイントがずれています。それは英語の語感の問題です。官房長官の反論では、全く相手に響かないでしょう。
日本語ではあまり分けにくい概念ですが、日本が求めているのは「neutrality」です。そして、国連側は「impartiality」が国連の原則だと言っています。この2つの言葉の違いが理解できないと、このやり取りはさっぱり意味が分かりません。英語で報道されると、更に意味不明でしょう。
オックスフォード辞典で見てみると、こういうふうに書いてあります。
neutrality : Not supporting or helping either side in a conflict, disagreement, etc
impartiality : Treating all rivals or disputants equally
「neutrality」だと、誰も応援しないという感じでして、「impartiality」ですとすべての関係者を平等に扱うという感じになります。国連側の反論は、「国連は誰からも距離を置くという意味での中立性を旨とした組織ではなく、すべての関係者に対して平等に接するという意味での公平性を旨とした組織だ」ということなのです。(つづく)
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緒方林太郎 2015-09-29 10:50
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