にもかかわらず、今回の「サハリン2」をめぐる事態の推移に対して、当事者である我が国において非難の声が盛り上がってこないのは何ゆえであろうか。このままでは、ますますロシアに弄ばれるだけになりはしないだろうか。イギリスの「The Economist」誌においては、昨年12月16日号で「Don’t mess with Russia」と題する特集を組み、プーチン政権の傲慢さを痛烈に批判している。私が12月11日付の投稿でサミット参加国としてのロシアの異質性を指摘したように、この特集記事においても「G8の一員にふさわしくない」と論じられている。国際社会の眼はかくも厳しくなっているのである。