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2013-12-19 12:23
(連載)皇室外交(1)
緒方 林太郎
前衆議院議員
マンデラ元南アフリカ大統領の葬儀に、皇太子殿下と福田元総理が参列されました。出席者のランクとしては万全の対応だと思います。各国首脳の参列が聞こえてきた中、これ以外の対応はあり得ないのです。重要度の高い国であれば、皇太子殿下と総理経験者(又は外相)というのが失礼のない対応と位置付けられます。
過去に国際的に重要な方の葬儀対応で日本からの参列者のランクが不適切なことがありました。先方に「うちの国を軽んじている」という誤ったメッセージとなり得ます。逆に皇室が参列するということになると、そのメッセージは明確に伝わります。
日本における皇室の位置付けというのは、先日の園遊会での混乱をめぐる中でも議論されましたが、政治とは切り離された存在です。しかし、私が経験したのは(矛盾して聞こえるかもしれませんが)「政治から切り離された存在であるからこそ、政治的に重みがある。」ということです。例えば、皇室が外国を訪問する時は政治の話はしません。純粋に両国の親善という意味合いになります。だからこそ、相手側としても「掛け値なしに親善」という受け止めになります。そこがとても大事なのです。
特に私は外務省時代に中東を担当していたので、その事がよく分かります。中東諸国、特に王族がいる国になってくると、皇室にいらしていただきたいという声は非常に強かったです。中東諸国の王族はまだ歴史が浅いので、歴史の長い皇室とお付き合いをしたいという気持ちが強いのでしょう。皇室と接点があること自体が「箔」が付くと考えているように思えました。(つづく)
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