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2013-11-12 12:29
(連載)中国に仕組まれた「反日デモ」(2)
酒井 信彦
元東京大学教授
河崎記者の報告で貴重なのは、以下の部分である。「日中関係筋は『反日デモで破壊された日本企業への補償はおろか、暴徒への処罰、責任追及はほとんど進んでいない』と顔を曇らせる。放火された電子部品大手、ミツミ電機の青島工場はいまも外壁が黒こげのまま。」「青島の日本総領事館などでは地元当局に対処を申し入れているが、いまだ反応はない。責任追及や補償問題もあいまいなまま。」
いわゆる「反日デモ」は、明らかに中国の国家権力による、仕組まれた官製デモであり、凄まじい破壊行為を伴っていたのだから、完全なテロである。したがって、責任追及や補償は、領事館が地元当局に要求するのではなく、日本国の政府そのものが、直接中国政権に要求するものでなければならない。しかしそれは全く行われていないようだ。
まさに9月15日こそ、日本が凄まじい屈辱を受けた日であって、日本の「国恥記念」であると言わなければならない。しかしほとんどの日本人は、わずか一年前に受けたこの屈辱をすっかり忘れ、それに対して正当な怒りを表すことすらしない。一寸の虫にも五分の魂と言う。世界のどんな弱小民族と言えども、現在の日本人のような腑抜け民族はいないだろう。
今回デモが行われなかったのは、「背景には、昨年のデモが暴徒化し中国のイメージを損ねたことへの官民の反省がある」(9月12日、朝日朝刊)からでは全くない。普通の市民が暴力団の恐喝に屈伏するように、日本人が中国人の凶悪な脅しに、何の抗議の声も上げないからである。つまり、さらなる脅しを行う必要が無いからであるに過ぎない。(おわり)
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(連載)中国に仕組まれた「反日デモ」(1)
酒井 信彦 2013-11-11 13:21
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(連載)中国に仕組まれた「反日デモ」(2)
酒井 信彦 2013-11-12 12:29
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