ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
2013-09-02 18:46
(連載)中国・韓国にあなどられないために(1)
酒井 信彦
元東京大学教授
最近、また戦争の話題で盛り上がっている。300万人の犠牲者という数字は、日本の歴史の中では空前の被害であるかも知れないが、いつまでも戦争にこだわっているのは愚かである。過去にばかりに気を取られていると、現実が分からなくなり、未来を考えることもできなくなる。
そうならないためには、日本人の戦争の被害を、世界史の中で客観的に眺めてみることも必要であろう。例えば、第二次大戦当時の日本の人口を約7000万人と考えると、300万の犠牲は、約23人に1人ということになる。ところで、朝鮮戦争の朝鮮人犠牲者は、人口の1割を超えているはずであり、戦争でなくとも、中国人のチベット侵略によってチベット人口の2割120万人が犠牲になったと、チベット人は主張している。
けだし戦争に情緒的にこだわり続けるのは、日本人の中に「反省屋」とも言うべき人々が存在していて、頻りに戦争を回顧・反省することをいわば商売にしているからではないか。朝日新聞・岩波書店を典型とするマスコミ、またそれに重用される学者・知識人は、敗戦後たちまち進駐軍のもとで日本罪悪史観の宣伝係に転身したかのごとくであった。
そうした中で、中国・韓国が攻勢をかけてきた。外交問題としての歴史問題は、1982年の第一次教科書問題、1986年の第二次教科書問題・靖国参拝問題とエスカレートし、90年代からは慰安婦問題も出てきた。この内外合わせた歴史問題による攻勢を前に、宮沢喜一・中曽根康弘・河野洋平と言った自民党の最高首脳のもとで自民党政権は屈し続けた。(つづく)
>>>この投稿にコメントする
修正する
投稿履歴
(連載)中国・韓国にあなどられないために(1)
酒井 信彦 2013-09-02 18:46
┗
(連載)中国・韓国にあなどられないために(2)
酒井 信彦 2013-09-03 09:56
一覧へ戻る
総論稿数:4819本
グローバル・フォーラム