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2006-09-17 08:05
連載投稿(2)世界に日本の真の姿を発信せよ
田島 高志
東洋英和女学院大学大学院客員教授
日本は、戦後平和国家として経済発展に成功し、経済面を中心に世界に貢献して来たが、これからは政治面でも、安全保障面でもより積極的な貢献をしたいと考えている。文化面でも種々な貢献をして来たが、これからはそれを更に強化すべきだと思う。
そのような日本の建設的で積極的な、そして平和的な願望と意図を誤解なく偏見なく正しく世界に宣伝し知らせる努力は、実際の行動と同じく、あるいはそれ以上に重要なことであることを認識すべきである。現代は、イメージで人々が判断し行動する傾向の強い時代である。国際社会、国際世論も同じである。
日本人は、日本の軍国主義は過去のことであり、自分達のみでなく世界も既に忘れ去ったと思い込んでいるように見える。しかし、中国人は被害の大きさもあったためかまだ忘れていない。韓国人も忘れていない。そして、世界には、中国本土のみでなく北米や東南アジアを中心に多くの国々に、中国人、中国系の人々、華僑などが海外だけでも合わせて数億人はいるのが現実である。それらの人々は、皆ようやく現在実現しつつある祖国の発展を誇りを持って見つめており、自分達も祖国の発展を応援したいとの心理情況にある。中国の国際宣伝活動は、そのような海外の中国人、中国系の人々、華僑を通じて容易に世界中に伝わり、彼らの生まれたあるいは滞在する国々の世論や政府の政策にも影響が及ぶのである。国連の安保理改革問題についての中国の反日キャンペーンが功を奏したことにも、このような背景が重要なひとつの要因としてあったことを認識すべきだと思う。
日本としては、中国と張り合うのではなく、隣国同士として相互に協力して共存共栄を図るべきである。しかし、そのためには国際社会における日本の建設的で前向きな姿勢や行動が世界各国の政府のみならず国民一般にも平常から充分認識され理解され、日本への信頼と尊敬を確固としたものにして、日本の行動への支持が常に得られるように、日本の真の姿の世界への発信をこれまでよりも数十倍工夫し努力する必要があることを強調したい。(おわり)
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投稿履歴
連載投稿(1)中国との宣伝戦に負けた日本
田島 高志 2006-09-16 07:00
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連載投稿(2)世界に日本の真の姿を発信せよ
田島 高志 2006-09-17 08:05
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存在感と発言力の基盤となるもの
小笠原高雪 2006-09-20 02:17
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