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2012-05-31 10:28
(連載)外国人研修生・技能修習生制度の根本的問題(1)
緒方 林太郎
衆議院議員(民主党)
外国人研修生・技能研修生ということで、5万人近い方が毎年日本で「研修」をしておられます。あまり認識がないかもしれませんが、私の地元北九州でも結構な数の方が研修をしておられます。目的は「技術、技能を習得してもらう」ことです。その8割は中国人、残りは東南アジアの方々です。
何度か報道されたので知っておられる方もおられるかと思いますが、この制度が、事実上単純労働者の入国のための制度になっているのみならず、その労働条件が劣悪であるとか、賃金がきちんと支払われていないとか、現地にブローカーがいて保証料を取っているとか、研修生は日本でパスポートを取り上げられているとか、色々な問題があります。制度の問題のみならず、この制度を推進している国際研修協力機構(JITCO)という組織が法務省や厚生労働省の天下り先となり、かつ、研修生を受け入れている企業等から賛助会員という名目でお金を徴収している、といった別途の問題があります。
実際に、私の地元の街で聞く話も、「研修」、「技能の伝達」等ではなく、単に「安い労働力の調達」手法に過ぎないというようなものです。アメリカからも、人権問題として提起されているという現実があります。研修分野として取り上げられている業種の中には、農業、漁業、建設、食品製造、繊維・衣服、機械・金属、その他ということで、66職種121作業が含まれていますけども、その中にはあえて特定はしませんが「日本の技術を伝達して、それを本国で活用してもらう」ことが主たる目的にはならないだろう、というものがかなりあります。それらは、どう見ても「単なる単純労働者ではないか」と思えてしまいます。
あまり好きな言い方ではありませんが、「現代版蟹工船」みたいなところがあるのではないでしょうか。勿論、受け入れ企業の中には「中国や東南アジアに今後進出していく際の、現地での立ち上げ要員育成」といった思いでやっているところがあります。それは正しい研修のあり方だろうと思います。しかし、業種によっては海外進出が到底ありえないものが大多数を占めています。(つづく)
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投稿履歴
(連載)外国人研修生・技能修習生制度の根本的問題(1)
緒方 林太郎 2012-05-31 10:28
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(連載)外国人研修生・技能修習生制度の根本的問題(2)
緒方 林太郎 2012-06-01 00:31
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外国人研修生・技能修習生制度の問題提起の仕方に疑問あり
佐藤 信明 2012-06-06 09:14
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外国人技能実習生制度の現場の本音を見てください
住吉 久俊 2012-06-04 17:01
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ありがとうございます
緒方 林太郎 2012-06-06 12:18
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緒方林太郎先生へのお願い
住吉 久俊 2012-06-21 23:06
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