オバマ政権のアフガン撤退の別の理由は、深刻な予算問題も潜んでいるからだと考える。米政府は、9・11後に始まった「テロに対する戦争」において、今日まで2兆ドル以上を費やしているが、その費用は全て借金で賄われている。政府の予算調査機関である『Congressional Research Service 』が昨年3月29日に公表した資料でも、派兵した兵士の数をほぼ2倍に増強した2009年から2010年度のアフガニスタンにおける米国国防総省の毎月の出費は、44億から67億ドルに跳ね上がっている。この事実を見ても、戦争の費用がいかに膨大であるかは明白である。対テロ戦争が米国の財政危機の重大な一因になっていることも無視できない。いずれにしても本日の合同記者会見は、米英両首脳によるアフガン撤退宣言を意味している。