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2012-02-20 11:27
(連載)成果期待できない首相の沖縄初訪問(1)
尾形 宣夫
ジャーナリスト
野田首相が2月26~27日、沖縄を訪問する。在日米軍再編の日米合意を改めて仲井真知事らに説明するためだが、もちろん話の中心は米海兵隊基地、普天間飛行場の移設問題である。先の日米合意で海兵隊のグアム移転が普天間の辺野古移設と切り離されたことや、今後の沖縄の基地負担の軽減について首相の口から直接説明することになる。訪問を待ち受ける知事は、首相訪問に先立って先日沖縄入りした田中防衛相に、普天間の「県外移設」と普天間をこのままの状態で固定化しないよう釘をさした。
普天間問題での対応が何度も問題となっている田中氏だけに、今回は会う人ごとに謝りどうしだった。「普天間の固定化はない」と言うには言ったが、地元の受け止めは冷めたままだ。田中氏が何と謝罪、説明しようとも、話の中身に目新しさはなかった。普天間移設問題の経緯を十分理解していないため、田中氏が語る言葉は随所にちぐはぐさが表れる。実直な田中氏だが、これ以上任にとどまるべきではないだろう。
では首相訪問で沖縄側の強硬な態度に変化が表れるかと言えば、それは期待薄だ。先日の衆院予算委員会でも防衛相・防衛庁長官経験のある石破、額賀両氏(ともに自民)から問題の複雑さに対する認識不足と自ら先頭に立って問題解決をしようとしない政権の対応を厳しく諌められた。両氏ともこの問題(在日米軍再編)のロードマップ(行程表)づくりに深く携わっただけに問題点の指摘は鋭かった。両氏と首相や玄葉外相、防衛相の論議は、まさに「専門家と素人」の観があった。
首相の沖縄訪問は、政権発足の9月以来、何度も「早期の訪問」を口にしながら、政局や外交日程を理由に先送りにされてきた。首相就任から半年にしてようやく実現の運びとなった。問題の重要性から言って、あまりにも遅すぎた。そしてこの間、内閣改造前の一川防衛相の「私は素人発言」や迷走答弁、沖縄防衛局長の「犯す発言」、そして内閣改造後は「犯す発言」で更迭された後任の局長による宜野湾市長選への「介入発言」があった。つまり、沖縄訪問を先送りにしている間に、普天間移設問題を複雑にする事例が続発したのである。(つづく)
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尾形 宣夫 2012-02-20 11:27
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尾形 宣夫 2012-02-21 00:55
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