ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
2012-01-22 13:21
(連載)首相の強気発言の真意は?(1)
尾形 宣夫
ジャーナリスト
記録的な異常乾燥のせいでもなかろうが、野田政権の迷走が際立ってきた。政権自体が乾ききっていて、適度な湿りが必要になっているようだ。 首相によれば内閣改造で「最善、最強の布陣」ができ、懸案の「社会保障と税の一体改革」は元幹事長の岡田氏が副総理を引き受けてくれたから、後は強気で対野党折衝に臨めば相手も自分たちの土俵に乗ってくるだろうと踏んだのだが、状況は何とも思いどおりに展開してくれない。一体改革を進めるには、「自ら身を切る改革」が必要ということで、国会議員の定数削減を打ち出してみたが、野党はこぞって反発し、1月19日の与野党協議も何ら前進することなく終わってしまった。
政権が提示した選挙区5減は、元はといえば自民党の案。消費税増税を前に自ら身を切る姿勢を示せば、自民党も乗ってくるだろうと計算したのだが、そうは問屋が卸さないのが、永田町の駆け引きだ。しかも、何かと秋波を送ってきた公明党の気持ちを逆なでするような「比例80減」を出したのだから、同党も本気で怒り出してしまった。
公明党にとっては、「比例」は議席の現状を見るまでもなく、死活的な問題だ。政権側はマニフェストに沿って出してきたのだが、総崩れのマニフェストの中から手付かずのものを引っ張り出してきて、それを「身を切る決意」などと言って一体改革の取引材料にされたのではたまらない、というわけだ。
公明党の主張は、現行の選挙制度を見直すことが先決だから、にわかに定数削減を持ち出しても話には乗れないのは当然だ。公平に見ても、一体改革のための定数削減が突然持ち出された感は否めない。いつものことながら、政権運営のノウハウがないために、助走もなく本番に突っ込むに等しい。(つづく)
>>>この投稿にコメントする
修正する
投稿履歴
(連載)首相の強気発言の真意は?(1)
尾形 宣夫 2012-01-22 13:21
┗
(連載)首相の強気発言の真意は?(2)
尾形 宣夫 2012-01-23 00:39
一覧へ戻る
総論稿数:4819本
グローバル・フォーラム