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2011-09-17 09:24
(連載)アルカイダのイデオロギー面での衰退(1)
茂田 宏
元在イスラエル大使
9月11日、米国では9・11テロ事件10周年を記念する行事が行われた。この事件を起こしたオサマ・ビンラーデンを指導者とするアルカイダは、今なおパキスタン・アフガニスタン国境地帯に存在し、活動している。本年5月、オサマはパキスタン潜伏中、米軍特殊部隊により殺害されたが、アルカイダはザワヒリの指導のもと、活動し続けている。
更にアルカイダのイデオロギーに触発された組織や個人がテロを行う事例も増えてきた。組織としては、イエーメンを本拠とする「アラビヤ半島におけるアルカイダ」(AQAP)、「イラクにおけるアルカイダ」(AQI)、「イスラム・マグレブの土地におけるアルカイダ」(AQIM)が生まれてきた。アルカイダと密接な関係を持つ組織としては、ソマリヤにおけるシャバーブ、アフガンにおけるタリバン、パキスタンにおけるラシュカール・タイバ(LT)もいる。個人としては、アルカイダに共感し、テロを行う人もいる。従ってアルカイダとその連携者は今なお大きな脅威である。
しかし、アルカイダのアラブ諸国での訴求力は、最近急速に落ちてきていると考えられる。オサマとザワヒリの考え方は、主として次のような要素よりなっている。(1)イスラム共同体がユダヤ・十字軍の侵略を受けている。それへの反撃は防衛ジハードであり、イスラム教徒は個人的義務として、それを実施しなければならない。これがアッラーの求めることである。
(2)アラブ諸国の諸政権は、イスラムの教えに反しているが、これを転覆させるためには、武力闘争が必要である。ただ、これらの政権を支えているのは、ユダヤ・十字軍連合体であり、この連合体を攻撃し、この支えを出来なくすれば、これらの政権は倒れる。最も重要なのは、対米攻撃を中心とする国際的ジハードである。(3)イスラム共同体は精神的には強いが、物的・技術的には弱体であり、戦術としては、ゲリラ戦によらざるを得ない。その戦いにおいて、税金を納めるなどで、ユダヤ・十字軍を支援している米国市民などを、攻撃目標とすることは構わない。(つづく)
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