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2011-09-08 10:41
(連載)「メドベージェフはロシアのリー・クアンユーになるべき」か?(1)
飯島 一孝
ジャーナリスト
メドベージェフ大統領をシンガポールの初代首相で「開発独裁」を体現したリー・クアンユーになぞらえて、「メドベージェフはロシアのリー・クアンユーになるべきだ」とする論文が、9月5日付けのロシア有力紙『ベードモスチ』に掲載され、話題になっている。
この論文の執筆者は、メドベージェフ系のシンクタンク「現代発展研究所」のイーゴリ・ユルゲンス代表ら。大統領主導の「経済現代化(近代化)」を達成するためには「権威主義的な政治体制下で『開発独裁』を実行し、経済の繁栄を実現したリー・クアンユーのようになるべきだ」と主張、「メドベージェフ大統領は来春の大統領選に立候補すべきだ」とも結論づけている。
他方、9月7日付けの英字紙『モスコー・タイムズ』に掲載されたユルゲンス氏らの論文は「ロシアでは一度も近代国家が形成されたことがなく、政治・経済制度は20世紀に2度(1917年と1991年)自らの重みで崩壊した。帝政ロシアも共産主義国家も他の閉鎖的体制と同じように、国民の必要性を理解せず、予期せぬ経済的トラブルや危機への圧力に打ち勝てなかった。一方では、自由市場が出現し、中間階級が成長、ネット社会が急激に広がっているが、ロシアの政治体制はまだ半開きの状態で、エリートたちの権力独占を脅かすほどには至っていない。過剰な封建的統制の結果として現代化の試みはことごとく失敗している」と断言している。
「実際に、近代化の歴史の中には権威主義的指導者による個人的な命令で成功した例がいくつかある」とし、シンガポールのリー・クアンユーやトルコのアタチュルクを名指ししている。そして「ロシアが現在直面している手ごわい障害として不効率な政府、お粗末な制度と国民の政府不信がある」と指摘、「投票による国民の信頼と成功する現代化計画をもち、実行する意思を有する指導者のみがこれを解決できる」と主張している。(つづく)
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(連載)「メドベージェフはロシアのリー・クアンユーになるべき」か?(1)
飯島 一孝 2011-09-08 10:41
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飯島 一孝 2011-09-09 09:49
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