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2011-01-19 11:30
(連載)米側の前原外相「過大評価」を懸念する(1)
高峰 康修
岡崎研究所特別研究員
1月6日にワシントンで行われた前原外相とクリントン国務長官による日米外相会談では、米海兵隊の普天間飛行場移設問題に過度に拘泥せず、日米同盟を深化させる方向性が打ち出された。
すなわち、昨年5月の日米合意で次の「2プラス2」は普天間移設を巡る具体的な工法などを決める場と位置づけられているが、普天間移設の具体的進展が見られないにも関わらず、次の「2プラス2」を「しかるべき時期」(クリントン長官によれば数カ月以内)に開催することで、両国は一致した。また、同時に、「日本防衛や周辺事態に際する日米間での円滑な協力のための協議を加速するとともに、『共通戦略目標』を見直し、再確認する作業を進める」ことでも合意した。
2005年2月に初めて公式に策定された『共通戦略目標』は、日米両国の地域および世界における戦略の指針であるが、国際テロや大量破壊兵器といった新しい安全保障上の脅威(それは重要には違いないが)に力点が置かれ過ぎていたきらいがある。中国に関しては「中国が地域及び世界において責任ある建設的な役割を果たすことを歓迎し、中国との協力関係を発展させる」 「台湾海峡を巡る問題の対話を通じた平和的解決を促す」「中国が軍事分野における透明性を高めるよう促す」という記述にとどまっていた。
しかし、今回の外相会談では、中国の著しい軍事力増強を受けて、より踏み込んだ内容にする方針だと伝えられている。また、北朝鮮に関しても「朝鮮半島の平和的な統一を支持する」「 核計画、弾道ミサイルに係る活動、不法活動、北朝鮮による日本人拉致といった人道問題を含む、北朝鮮に関連する諸懸案の平和的解決を追求する」といった記述であったが、これも、北朝鮮の核開発進展や度重なる挑発行為を受けて、より踏み込むことになるはずである。(つづく)
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(連載)米側の前原外相「過大評価」を懸念する(1)
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高峰 康修 2011-01-20 09:51
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