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2011-01-10 13:59
(連載)日豪印大三角形と日米印戦略対話(1)
高峰 康修
岡崎研究所特別研究員
我が国の平和的繁栄にとって不可欠なことは、言うまでもなくアジア太平洋地域の安定と繁栄、そしてこの地域の自由主義・民主主義的傾向が促進されることである。図式的に言えば、日・韓、インド、豪州を頂点とする大三角形の内部が「自由と繁栄の三角形」となることが、我が国にとって「核心的利益」だということになる。このことは、米国の世界戦略とも合致する。
これを犯そうとしているのが、中国の海洋進出である。インドにとっても、中国による「真珠の首飾り」戦略は、重大な脅威である。したがって、日印の連携が強化されることは必要なことであり、自然な流れである。実際、日印は、2008年10月に麻生首相とシン首相が日印安全保障協力共同宣言に署名して以来、協力関係を急速に深めている。2010年7月には、初の外務・防衛次官級対話がニューデリーで開催されている。さらに、外務・防衛閣僚会議(2プラス2)も視野に入ってきている。
日印の連携強化、特に安保協力の強化は、重要には違いないが、中国との対峙を考えれば、やはり米国が加わっていなければ画竜点睛を欠くと言わざるを得ない。このほど、日米印の3国は、日米印戦略対話を創設し、アジア太平洋地域とインド洋における安全保障問題、経済協力、エネルギー問題など、幅広い分野における協議を行う方針を固めた、と報じられている。
日米印戦略対話では、シーレーンの安全確保や宇宙開発、サイバー・スペースの国際秩序形成についても話し合われ、東アジア・サミットなどの多国間の枠組みを通じて国際基準の確立を目指す、とのことである。これは、極めて重要かつ歓迎すべき動きである。(つづく)
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