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2010-12-26 12:19
(連載)有意義だった米議会レイム・ダック・セッション(1)
島 M. ゆうこ
エッセイスト
中間選挙で落選した議員らが最後の任期を勤める期間は、1933年の米国憲法修正第20条で定められている。この11月の中間選挙後から翌年1月3日までのレイム・ダック・セッションに多くの法案が通過したことは意義深い。中間選挙直後は、両党の合意が得られず、難航していた多くの重要な法案も、12月10日前後から急にバタバタと両院を通過し、オバマ大統領の署名に至った。
その過程で最も論争が激しかったのは、12月31日が期限切れになるブッシュ政権下で制定した富豪層も含む全ての国民に対する減税である。オバマ氏は、2008年の政策方針であった「年収25万ドル以下を永久減税の対象にする」を大きく妥協する結果となって、このブッシュ減税法を更に2年間延長することに同意した。相続税も含む膨大で多種の減税は、経済の活性を促すと論じる政治家や専門家も多い。
上院少数党院内総務である共和党のミッチ・マッカーノは、共和党議員全員に手紙を書き、「ブッシュの減税法が延長されない限り、オバマが通過させたい法案は一切通さない」との意向を再確認した背景がある。減税に関してはこのような強い共和党の団結もあった。この減税法に関しては、強固な共和党に妥協する条件として、同じく12月で期限切れになる失業保険を更に13ヶ月間延長する事になった。
この失業保険法案が通過したことで、人口の10%に近い失業者が、何とか食べることだけは維持できる状態になったことは喜ばしい。しかし、失業率が増大している5州には同じ条件の失業保険は適用されない。共和党の減税延長とオバマ氏の失業保険の延長に対し、両党がお互いに妥協した結果可決した法案である。これに伴い、今後更に7,000~8,000億ドルの赤字の追加が予測されている。(つづく)
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(連載)有意義だった米議会レイム・ダック・セッション(1)
島 M. ゆうこ 2010-12-26 12:19
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島 M. ゆうこ 2010-12-27 00:06
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