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2010-10-16 13:09
(連載)開戦10年目に突入したアフガン戦争(2)
石川 純一
フリージャーナリスト
9月29日に発表されたCNNテレビの世論調査では、アフガンでの軍事作戦を肯定した米市民は44%で3月の調査から11%も減少し、不支持は58%に達した。オバマ米大統領は、テロの脅威から米国を守る上で「アフガンでの戦争は必要だ」と強調している。2009年12月には「2011年7月の撤退開始は譲れない」とした上で、3万人の増派を決めたのだが、米同時多発テロで高揚した愛国心、反アルカイダ感情の中で振り上げた拳だったが、今やどう下ろそうか、判断がつきかねているといったところのようだ。
さらに、再びくすぶり始めたのが、パキスタン軍統合情報局(ISI)とタリバンの関係である。ISIの中に、タリバンを扇動してアフガン駐留米軍と北大西洋条約機構(NATO)軍を攻撃するよう仕向けている人員が存在する可能性があるらしいのだ。ISIは、パキスタンに逃げ込んだアフガン難民の急進派を訓練し、戦闘集団タリバンとして育て上げた、いわばタリバンの生みの親である。さもありなんと言ったところだ。
国防総省のラパン副報道官は10月7日の会見で「ISIが組織としてテロを支援することはない」とした上で、「一部に非生産的なことをする者がいるかどうかが、討議対象となっており、パキスタン軍関係者とこの問題を協議している」ことを明らかにした。同副報道官は、「ISIはテロとの戦いで大きな貢献をしている」と述べ、ISI主導部を批判しているのではないと強調。しかし、他方で、米側は「ISIの戦略の立て方に一定の懸念を抱いている」とも語った。
ともかくも、中間選挙という米国の国内要因を念頭に、タリバン側がさらに軍事攻勢に出る可能性がある。開戦10年目に突入したアフガン戦争は、いよいよ正念場を迎えている。(おわり)
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(連載)開戦10年目に突入したアフガン戦争(1)
石川 純一 2010-10-15 10:57
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(連載)開戦10年目に突入したアフガン戦争(2)
石川 純一 2010-10-16 13:09
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