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2009-10-21 21:17
(連載)普天間基地問題に決断を下すべき時が来た(1)
若林 秀樹
元参議院議員(民主党)
ゲーツ米国防長官が来日し、11月のオバマ大統領来日を控え、沖縄の米軍普天間基地の移設問題がヤマ場にさしかかっている。結論から言えば、苦渋の決断ではあるが、民主党は日米政府間で合意したキャンプ・シュワブ沿岸部移設計画を沖縄県知事が容認する沖合への移動(50メートル程度)の微調整で早急に決着を図るべきである。その理由をいくつかの観点で述べてみたい。
普天間基地移設問題は、沖縄における米軍基地負担軽減の一環であり、何といっても基地の安全性への対処が根本にある。1996年の「沖縄における施設及び区域に関する特別行動委員会」での最終報告、いわゆるSACO合意から13年の年月が経ち、その後も様々な角度から日米の間で検討が加えられ、2005年に合意した「再編実施のためのロードマップ」でも、普天間基地の移設は最大の柱となっている。
2004年の沖縄国際大学のヘリコプター墜落事故は記憶に新しいが、今もなお危険な状態が続いている。ここは一日も早く、普天間基地を移設することが先決であり、キャンプ・シュワブも完璧ではないが、代替策がない以上、さらに先延ばしするのではなく、皆が何とか受け入れられる案で進めるべきである。もし微調整の範囲を超える形での変更を主張するのであれば、他の基地の整理・返還まで白紙に戻る可能性が高い。
民主党は、現行の普天間基地移設案に反対している衆院選候補者全員が当選し、現行案を修正することが沖縄県民の声であるとしているが、果たしてそうであろうか。もちろん県民は、普天間基地だけの問題を争点として投票した訳ではない。むしろ有権者の判断基準は、民主党や政権交代への期待であり、当選者が述べているように、県民の心を捉えた具体策は、年金や介護などの生活・福祉の向上であった。沖縄県選出議員が4人共に非自民党議員であったことをもって、沖縄県民の総意が普天間基地移転の合意の変更であるというのには、論理の飛躍があるのではないか。沖縄県知事の意見も大切な沖縄県の民意の一つとして捉えるべきである。(つづく)
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