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2009-06-02 11:05
(連載)リベラル派との蜜月終わるオバマ米大統領(2)
石川 純一
フリージャーナリスト
さらにオバマ大統領は5月15日になって、120日間の審理停止を命じていたグアンタナモ基地の特別軍事法廷でのテロ拘束者の審理を再開すると発表した。オバマ大統領は声明で、特別軍事法廷を「米国を守るためには最善の方法だ」と支持。再開に当たり、(1)非人道的尋問で得られた証拠の不採用、(2)伝聞証拠の制限、(3)証言拒否の保護、などの改善策を導入する考えを示した。
案の定、人権団体からは「オバマ大統領は公約違反」の大合唱だ。加えて5月15日、中央情報局(CIA)とペロシ下院議長(民主党)との間で、「拷問」を象徴するいわゆる「水責め」に関し、その現況を「(ペロシ議長に)報告した」、いや「報告を受けていない」と、互いに相手をけなし合う内紛が発覚。ペロシ議長は、拷問問題でブッシュ前政権批判の急先鋒だっただけに、初めから拷問の実態を知りながら黙認し、放置していたのではないか、というわけだ。
軍を掌握するオバマ大統領が、「テロとの戦い」という現実を前に、国益最優先の「右旋回」を繰り返すことは、今後とも続くだろう。ブッシュ批判をしているだけでよかった時代は、既に戻ってこない。うまく舵取りをしないと、民主党内部のリベラル派、人権団体などの左派陣営は、雪崩を打って反オバマに傾いていく可能性がある。かといって左派におもねれば、保守派が黙ってはいない。さてどうするか。(おわり)
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(連載)リベラル派との蜜月終わるオバマ米大統領(1)
石川 純一 2009-06-01 14:25
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石川 純一 2009-06-02 11:05
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