グローバル・フォーラムは、これまで３5年にわたり、民間レベルの自由な立場で、日本の経済人、有識者、国会議員が各国のカウンターパートとの間で、政治・安全保障から経済・貿易・金融や社会・文化にいたる相互の共通の関心事についての現状認識を確認しあい、また、相互理解の深化を踏まえて、今後の国際秩序のあるべき姿について議論してきました。

一方、現在国際社会では、米国の「世界の警察官」的立場からの相対的な後退、中国やロシア等の新興国の台頭とそのゲーム・チェンジャー的行動、北朝鮮の核・ミサイル開発・実験等の挑発的行為、世界各地でのグローバル・テロの頻発、欧米先進民主主義国における社会的経済的不満の増大に基づく一国繁栄主義の動きなど、これまでの国際秩序を大きく揺るがす現象が続き、それらの着地点がいまだ見出しえない状況が続いています。このような流動的な国際情勢にあって、米国、中国、韓国、ASEAN諸国、インド、豪州、欧州諸国、黒海地域諸国等における国際交流団体との間で、共催形式で政策志向の対話を実施してきたグローバル・フォーラムの役割は益々重要になってきております。

これまでのグローバル・フォーラムの伝統と成果を踏まえ、今後とも会員の皆様とともに、国際的な姉妹団体との間で国際社会の直面する様々な課題について対話を継続していくことは、執行世話人としての第一の責務であると心得ます。当フォーラムの実りある活動の継続のためには、会員の皆様からの強いご支持とご支援が必要です。引き続きご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

２０１７年６月
グローバル・フォーラム
執行世話人

橋本　宏