国際対話

「中央アジア+日本」対話・第 12 回東京対話:

中央アジア・コーカサスとの連結性

対話のようす

グローバル・フォーラムは、外務省との共催により、3月15日(水)に東京において日本+中央アジア対話・第12回東京対話「中央アジア・コーカサスとの連結性」を開催しました。

内陸国である中央アジアにとって、海への出口に向けた連結性は、自由で開かれた持続可能な発展のために、重要な課題です。こうした中、ロシアによるウクライナ侵略の影響も受けて、ロシアを経由しない「カスピ海」ルート海の重要性が益々高まっています。そのカスピ海ルートの鍵となるのが、カスピ海と黒海、ロシア、イラン、トルコに挟まれたコーカサス地域です。

今回の会合では、昨年 12 月 24 日に東京で開催された、「中央アジア+日本」対話・第9回外相会合での議論も踏まえ、「カスピ海」ルートの更なる活用を念頭に、中央アジア・コーカサス地域の連結性の強化、特に物流の円滑化と日本の関与のあり方について、関係者の間で意見交換を行いました。
 このような問題意識を踏まえ、当日は、中央アジア・コーカサス側よりメデルベク・クルマンベコフ・キルギス運輸・通信次官、イクリム・カカムラドフ・トルクメニスタン国家関税局関税統計局長等に加え、日本側より吉川ゆうみ外務大臣政務官、渡辺まゆグローバル・フォーラム執行世話人、宇山智彦北海道大学教授/グローバル・フォーラム有識者メンバーを含む345名が出席し、活発な意見交換を行いました。

【日本側参加者】

【司会進行・モデレーター】市場 裕昭外務省欧州局中央アジア・コーカサス室長
【主催者挨拶】吉川ゆうみ外務大臣政務官
【主催者挨拶】渡辺 まゆグローバル・フォーラム執行世話人
【基調講演】宇山 智彦北海道大学教授/グローバル・フォーラム有識者メンバー
【報告】黒須 利彦経済産業省ロシア・中央アジア・コーカサス室長
【パネリスト】小泉 幸弘国際協力機構社会基盤部次長
【パネリスト】佐々木明日香財務省関税局第二参事官室(国際協力担当)課長補
【パネリスト】尾関  誠日新複合輸送営業部次長(ユーラシア横断鉄道調整評議会副事務局長)
【パネリスト】山崎 克紀西日本電信電話ビジネス営業本部エンタープライズビジネス営業部公共営業部門担当部長
【パネリスト】安井  正世界税関機構(WCO)対外調整官
【パネリスト】藤光 基裕WCO/JICA合同プロジェクトマネージャー
【パネリスト】山口  修NX総合研究所シニアコンサルタント

プログラム記載順

【中央アジア・コーカサスからの参加者】

【カザフスタン】アルマン・アデプバエフ産業インフラ発展省運輸政策・インフラ局トランジット開発・運輸政策部主任専門家
【キルギス】メデルベク・クルマンベコフ運輸・通信次官
【タジキスタン】フスラフ・ミルゾエフ外務省対外経済局一等書記官
【ウズベキスタン】アブドゥラ・ハシーモフ投資・産業・貿易省輸送回廊開発・物流局長
【ジョージア】イラクリ・ダネリアMaersk社トビリシ支店黒海・中央アジア地域事業開発部長
【ジョージア】ラチ・デヴァゼ経済・持続発展省交通・物流発展政策部副部長
【アゼルバイジャン】ファリズ・アリエフデジタル開発運輸省物流政策局長
【トルクメニスタン】イクリム・カカムラドフ国家関税局関税統計局長

プログラム記載順



「中央アジア+日本」対話・第12回東京対話(2023) 執行世話人挨拶

「中央アジア+日本」対話・第12回東京対話「中央アジア・コーカサスとの連結性」では、渡辺まゆグローバル・フォーラム執行世話人が開会挨拶を行いました。




「中央アジア+日本」対話・第12回東京対話開会挨拶
(2023年3月15日、於霞が関プラザホール)

皆様こんにちは。グローバル・フォーラム執行世話人の渡辺まゆでございます。

本日は、グローバル・フォーラムと外務省との共催により、「中央アジア+日本」対話・第 12 回東京対話「中央アジア・コーカサスとの連結性」を開催することができ、嬉しく存じております。また、本対話出席のために中央アジア・コーカサス地域よりご来日されました皆さま、会場そしてオンラインを通じてご参加の皆様に、グローバル・フォーラムを代表し、深く感謝申し上げます。

グローバル・フォーラム(Global Forum of Japan)は、今年で設立40年を迎える国際交流組織であり、その歴史的源泉は「四極フォーラム」という日・欧・米・加の賢人会議に遡ります。現在は、日本国際フォーラムという国際問題の政策シンクタンク内に事務局を置き、その国際交流部門を先導しています。GFJの強味は、米国、欧州、中国、ASEAN、インドなど世界の主要国との対話のみならず、中央アジアや黒海地域(Black Sea Area)諸国といった、日本ではなじみの薄い地域ですが、地政学的に戦略的重要性のある地域との対話も実施していることです。とくに、黒海・カスピ海沿岸諸国そして中央アジアは、欧州とアジアの東西回廊、ロシアと中東の南北回廊が交差する十字路であり、まさに通商(物流)・交通・エネルギー・軍事などの利害が絡み合う要衝として、ユーラシアの安定に極めて重要な地域です。我々は日本で先鞭をつけて2005年から黒海地域(Black Sea Area)対話を、2015年から中央アジアとの対話を重ね、同時に、これらをフォローするため、大国間のパワーがダイナミックにせめぎあうユーラシアについて、大国間のはざまにあるコーカサス、中央アジアの動向も注視した調査研究を、本日ご登壇の宇山智彦先生にもご指導を賜りながら長年、行って参りました。

さて、ロシアによるウクライナ侵略は、国際情勢を激変させましたが、豊富な天然資源を持つ中央アジアは、日本にとって、エネルギー安全保障や天然資源確保の観点からより重要なパートナーです。また、質の高い物流・インフラ整備や産業育成等のノウハウを持つ日本は、ユーラシアの内陸に位置する中央アジアにとって、海への出口に向けた連結性、とくにロシアを経由しない「カスピ」海ルートを活用した連結性強化など、自由で開かれた持続可能な発展のために重要なパートナーであります。日本と中央アジアは、昨年12月24日の外相会合で、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化するパートナーとしての相互協力の重要性を確認しましたが、本日の対話は、日本と中央アジアとの、未来志向の一層の関係強化に向けて、自由闊達な意見交換がなされることを期待したいと存じます。ご清聴ありがとうございました。




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報告書

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公開シンポジウム・オープニングセッション

公開シンポジウム・パネルディスカッション1

公開シンポジウム・パネルディスカッション2