国際対話
「中央アジア+日本」対話・第10回東京対話:
日・中央アジア関係の今と未来を展望する
グローバル・フォーラムは、外務省との共催により、8月31日(木)に東京において日本+中央アジア対話・第10回東京対話「日・中央アジア関係の今と未来を展望する」を開催しました。
今回の会合では、本年が日本と中央アジア各国との外交関係樹立25周年であることに鑑み、 各国と日本との関係の25年の軌跡を振り返りつつ、日本にとって中央アジアが身近な存在であることを再確認するとともに、日・中央アジア関係の未来の展望について意見交換を行いました。
このような問題意識を踏まえ、当日は、中央アジア側よりグルバンムハメット・カシモフ・トルクメニスタン外務省特任大使、グロムジョン・ボボゾーダ・タジキスタン共和国大統領府国際局長等に加え、日本側より伊藤憲一グローバル・フォーラム代表世話人、川口順子明治大学国際総合研究所フェロー/元外務大臣、宮家邦彦キャノングローバル戦略研究所研究主幹を含む177名が出席し、活発な意見交換を行いました。
【日本側参加者】
【司会進行】 | 田口精一郎 | 外務省欧州局中央アジア・コーカサス室長 |
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【開会挨拶】 | 伊藤 憲一 | グローバル・フォーラム代表世話人 |
【基調講演】 | 堀井 学 | 外務大臣政務官 |
【記念スピーチ】 | 川口 順子 | 明治大学国際総合研究所フェロー/元外務大臣 |
【モデレーター】 | 宇山 智彦 | 北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授 |
【パネリスト】 | 宮家 邦彦 | キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 |
【パネリスト】 | 古宮健一郎 | 澤田ホールディングス株式会社取締役 |
【パネリスト】 | 本間 勝 | 欧州復興開発銀行 (EBRD)東京駐在員事務所長 |
プログラム記載順
【中央アジアからの参加者】
【タジキスタン】 | グロムジョン・ボボゾ ーダ | 大統領府国際局長 |
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【カザフスタン】 | サヤサット・ヌルベック | アスタナ国際金融センター・マネージングディレクター |
【キルギス】 | アザマト・ディカムバエフ | 国立戦略調査研究所所長 |
【トルクメニスタン】 | グルバンムハメット・カシモフ | 外務省特任大使 |
【ウズベキスタン】 | ムザファール・マドラヒーモフ | 外務省アジア太平洋局日本課長 |
プログラム記載順
「中央アジア+日本」対話・第10回東京対話(2017) 代表世話人挨拶
「中央アジア+日本」対話・第10回東京対話「日・中央アジア関係の今と未来を展望する」では、伊藤憲一グローバル・フォーラム代表世話人が開会挨拶を行いました。
「中央アジア+日本」対話・第10回東京対話開会挨拶
(2017年8月31日、外務省)
皆さん、今日は。グローバル・フォーラム代表世話人の伊藤憲一でございます。グローバル・フォーラムにとっては、2015年につづき再び「中央アジア・プラス・日本」対話を外務省との共催により開催することができ、大変喜んでおります。中央アジア5か国と米国からご参加をいただいた発表者の皆さまには、改めて心からの歓迎の意を表したいと思います。
さて、冷戦時代、中央アジアが「鉄のカーテン」の向こう側にあって、われわれ西側世界の住民にとって近寄りがたい国々であったころ、私は約1カ月をかけて一人で中央アジア5か国をすべて訪ねたことがあります。今から半世紀以上昔の1963年のことでした。当時私はモスクワの日本大使館で外交官補、というか研修期間中の大使館員でして、「勉強のため、中央アジアを見て来い」と言われて、アルマアタを皮切りに、フルンゼ、ドゥシャンベ、タシケント、ブハラ、サマルカンド、アシュハバードなどの諸都市を歴訪しました。いずれの都市も中心街はマルクス・レーニン通りと名付けられていたのが、印象的でした。
当時は冷戦時代まっただ中でありまして、西側大使館員がソ連国内を旅行するときは、身の安全を守るために、必ず何人かでグループを作って行動をともにしたものですが、私は単独で1か月近く、いわばほっつき歩いたわけです。当時私はまだ25歳でしたし、ロシア語ができましたので、この旅行ではすぐ現地の人たちと友達になり、家に連れて行かれて、食事までご馳走になったこともありました。中央アジア諸国には、それなりの独特の伝統と文化と人情のあることを現地で実感しました。
ということで、中央アジアは私にとって格別に思い入れのある場所なのですが、その後、切れていたご縁が復活していることをご報告したいと思います。というのは、ソ連解体の後、私が理事長をしている外交問題シンクタンク・日本国際フォーラムは何人かの中央アジアの青年たちを客員研究員としてお迎えするご縁を得たからです。かれらと国際情勢を議論し、むしろ教えられることが多かったのは、意外でした。中央アジアが世界を見る眺望台の一つであることは、間違いありません。今日は日本と中央アジア各国との外交関係樹立の25年の軌跡を振り返りつつ、この対話を一つの契機として両国関係が一層発展することを祈念してやみません。以上、開会のご挨拶とさせていただきます。ご清聴有難うございました。
当日の挨拶全文は、PDF形式でも公開しておりますので下記ボタンからご覧下さい。
「「中央アジア+日本」対話・第10回東京対話(2017)」報告書
グローバル・フォーラムが外務省との共催で開催した、「中央アジア+日本」対話「日・中央アジア関係の今と未来を展望する」の報告書が発行されました。本報告書には、当日の速記録や報告資料が収録されているほか、本対話に関するメディア等の報道等も収録されています。本報告書の全文につきましては、本ページ最下部、「報告書」ボタンからご覧ください。
伊藤憲一グローバル・フォーラム代表世話人
冷戦時代、私は約1カ月をかけて、一人で中央アジア5カ国を全て訪ねたことがあります。この経験を通じて、中央アジア諸国には、ロシアとは違う独特の伝統、文化、人情があることを現地で実感しました。私が会長をしている、日本国際フォーラムでは、過去、多くの中央アジアの青年たちを客員研究員として迎え、彼らと国際情勢を議論しました。中央アジアが世界を見る眺望台の一つであることは間違いありません。
グロムジョン・ボボゾーダ・タジキスタン大統領府国際局長両国関係は、2015年の「日本国とタジキスタン共和国との間の新たなパートナーシップに関する共同声明」が採択されて以降、順調に成長してきました。しかしながら、これまで日本からタジキスタンへの支援は、専ら技術協力に重点が置かれ、両国のポテンシャルを十分に生かし切れていないように感じます。
サヤサット・ヌルベック・アスタナ国際金融センター・マネージングディレクター
私が所属するアスタナ国際金融センターは、ドバイの金融センターをモデルとし、外国人審査員の参加を得て手続において英国法と英語の言語を使用します。また、同センターでは税制優遇(50年にわたり法人税、個人所得税、土地税、資産税が免税)のほか、賃借料が2年間無料ということもあり、丸紅、東芝といった日本の有名企業が関心を示しています。
グルバンムハメット・カシモフ・トルクメニスタン外務省特任大使両国関係の中で、主要な分野の一つにエネルギー分野があります。同分野には日本企業も参画し、その先端技術を導入することによって、トルクメンバシの石油精製工場の大規模な近代化が行われました。その他、日本企業の川崎重工や東洋エンジニアリングが参加し、2つのハイテクプロジェクトが天然ガス加工分野で行われており、その総額は50憶ドルを超えるなど、活発な動きが起きています。
上記以外にも、様々な立場からパネリストが報告を行い、侃々諤々と意見を戦わせました。また、本対話の特徴とも言える自由討議の時間では、高い発言意欲を持った出席者諸氏も議論に加わり自由闊達な討論が行われました。なお、全体の議論やパネリストの詳細等につきましては、以下報告書に詳しく記載されております。
報告書全文は、PDF形式にて下記ボタンからご覧になることができます。
「中央アジア+日本」対話(2017)メモ
「中央アジア+日本」対話・第10回東京対話「日・中央アジア関係の今と未来を展望する」では、報告書に先駆けてその議論の概要を記したメモがリリースされました。
メモ全文は、PDF形式にて公開しておりますので下記ボタンからご覧下さい。
ダイジェスト動画 「中央アジア+日本」対話・第10回東京対話「日・中央アジア関係の今と未来を展望する」(2017)
中央アジア料理動画(2017)
中央アジア料理動画は,外務省公式YouTubeチャンネルにリリースされております。外務省のHP他,Twitterでも発信されております。
<外務省HP>「中央アジア+日本」対話・第10回東京対話 サイドイベント・中央アジア料理動画
- ◆プロローグ https://youtu.be/bAus89vlMvg
- ◆プロフ https://youtu.be/ZVTa4OQ0atk
- ◆ディムラマ https://youtu.be/Zy-MwpPtPu0
- ◆ラグマン https://youtu.be/ZbbZZk6EKYI