国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「議論百出」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2008-10-18 11:13

(連載)今こそ「日本の政経手術を」(2)

岩國 哲人  衆議院議員
(7)食料品減税
 年初、アメリカでも日本と同様に株価が10%下落したが、ブッシュ政権は景気悪化と不安心理を防ぐために、間髪を入れず16兆円の減税を発表し、超党派で3週間後に立法化させた。一定の税収の維持と、国民生活の現状の比較衡量の観点から、減税にあたっては、食料品のような生活必需品を優先的に軽減すべきではないか。麻生総理と中川財務大臣の全額消費税型年金私案や、与謝野経済担当大臣の発言からも、消費税増税は将来的には不可避と考えるべきだろう。しかし、食品については、別途検討することが可能であり、必要でもある。

 例えば、イギリスでは、標準税率17.5%に対し、食料品は0%、フランスでは、19.6%に対し7%、税金が高いことで知られるスウェーデンでは、25%に対し12%である。食品関係の支出は、全体消費の20%程度だから、消費税率5%の場合は2兆5000億円の減税、平均的な標準家庭では4万円強の減税となる。生活不安が高まり、中小企業の売上減少、倒産など、環境がますます悪化している今こそ、食品消費税の軽減税率を、前倒しで先行実施すべきではないか。
 
(8)軽老ではなく「敬老の時代」を
 77歳の喜寿には、喜寿のお祝いを「喜寿褒章」として差し上げ、医療保険料を無料化する。ゼロ金利政策で金利を丸ごと奪いとる100%の強制的天引き税が、10年間に亘り課せられてきた。平均して高齢者の預金1000万円から徴収された金利36万円の10年分、360万円は、77歳から100歳までの23年間の医療保険料の前払いに相当する。これは、ゼロ金利政策の結果、若い世代の勤める企業への支援金として、既に強制的に預金利子から天引きされてしまっている。それを今、青壮年世代が「ありがとう」と言ってお返しする。

 子育て支援や高齢者対応に関しては、金融や税制での制度的な対応が必要だ。私の持論は「子宝政策」と「親宝政策」だ。「子宝政策」は、若い世代が新築、増築、改築、移転をしやすいように、子供の数に応じて、子供1人に対して1%、2人になれば2%と、子供の数に合せて金利補助を住宅ローンに付ける。「親宝政策」は、親は宝だと思えるように、65歳以上の高齢者が同居できるように、増・改築、新築する場合、住宅ローンの支払金利のうち3%を補助する。住宅建設、住宅購入を支援することで、景気対策を兼ねることにもなる。(おわり)
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『議論百出』から他のe-論壇『百花斉放』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム