国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「議論百出」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2008-07-30 11:47

座間市のキャンプ座間米軍再編計画容認を評価する

佐島直子  専修大学教授
 7月28日、防衛省は、既に新司令部が発足している在日・米陸軍キャンプ座間に関し、常設の協議機関「キャンプ座間に関する協議会」の設置を座間市側に提案した。同日、市や市議、自治会でつくる「基地強化に反対する座間市連絡協議会」もこれを了承し、「市連絡協議会」の解散が決定された。「座間に関する協議会」の年1回の代表幹事会には、防衛省サイドから地方協力局長と南関東防衛局長が出席し、市側は市長がメンバーになる見込みである。実務レベルの幹事会は年4回開催され、継続的に交渉や情報提供を行う。これによって、座間市側は事実上、米軍再編計画の容認に転じたことになる。基地の恒久化解消策として、同様の協議機関が常設されるのは、沖縄県を除き初めてである。

 星野座間市長は「協議機関の設置で、交渉権が確立できる」と提案を評価している。地元住民は、米軍再編に伴う負担軽減などを現実的に協議する場が設置されたことで、今後の交渉の円滑化が期待できる。国と座間市の間では、既に1971年に、横浜防衛施設局長(当時)と座間町長(当時)が、「基地縮小に最大限努力する」という覚書を交わしており、今回設置が決まった「座間に関する協議会」は、その主旨を具現化するものである。地元住民の中にはその実効性確保にいささかの不安を抱く者もいるようだが、ようやく築かれた信頼関係のスキームを維持できるよう、関係各位の変わらぬ努力を求めたい。松沢成文神奈川県知事も、「国と市の間で話し合いの枠組みができることは望ましい」とのコメントを出している。 

 在日米軍再編計画、なかでも座間市に設置された米陸軍司令部の役割、を日米同盟強化の立場からこれまで高く評価してきた筆者としても、座間市及び座間市民の今回の英断を高く評価いたしたい。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『議論百出』から他のe-論壇『百花斉放』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム