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2008-01-30 14:44

(連載)第2回「日米アジア対話」に出席して考えたこと(1)

池尾愛子  早稲田大学教授
 1月22日に第2回「日米アジア対話:東アジア共同体と米国」と題する日・米・アジアの三角対話が都内で、グローバル・フォーラム、東アジア共同体評議会、米国パシフィック・フォーラムCSISの三者の共催により開催された。同対話は、「東アジア協力に関する第二共同声明後の共同体構築」と題するアジアと日本に関するセッションIと、「東アジア共同体と米国」と題するセッションIIに大きく分けて実施された。外国側パネリストは、セッションIでは、楊伯江(YANG Bojiang)中国現代国際関係研究院日本研究所所長、ドミンゴ・シアゾン駐日フィリピン大使、セッションIIでは、ラルフ・コッサ・パシフィック・フォーラムCSIS理事長、ジョゼフ・ドノヴァン駐日米国大使館公使であった。楊氏もはっきり指摘したように、アジア側パネリストと、アメリカ側パネリストが入るセッションが、プログラム上は分けられていた。それでも、対話自体が分けられたということではないと思うのだが、セッションIではアメリカ人の発言がなく、セッションIIでは楊氏がほとんど中座した。

 振り返れば、私が初めて出た国際会議は、1987年頃にニューヨークで開催されたある学会の年次大会であった。それ以来、日本で開かれるものも増え、国際会議に出る機会は毎年増えている。そして、2004年6月に北京で開催されたエネルギー・フォーラム第1日が、私にとってアメリカ人のいない初めての国際会議であったと思う。同じことを感じたのは私以外にも数人いたようだが、第2日には情報を得たアメリカ人が駆けつけた。しかし、それ以来、アメリカ人のいない国際会議に出る機会が増えており、それらは中国人の出席者の多い国際会議である。さらに中国で開催される国際会議の数は増えていると聞く。

 2004年6月の北京フォーラムでは、エネルギーをめぐる協力を模索することが目的のはずであった。中国の大学教授(政治学、国際関係論)と思しき人たちから、「搾取者が搾取される時がやって来た」とか、「日本企業は工場を建てて機械を据えたら出て行くべきだ」などという挑発的発言が出た。中国で開催される国際会議に参加してみると、中国側の主要参加者たちはテーマに基づいた発表準備を十分されているほか、外国からの参加者の顔ぶれを見て参加者が調整されることもある。さらに、海外に発信するための国際会議というよりも、中国国内にアピールするための国際会議といった趣が強く、挑発的発言に対して反論が必要な場合にはその場で行わなければならないと言う。(つづく)
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