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2008-01-21 10:16

韓国の高校生へ

岩國哲人  衆議院議員
 韓国の釜山市にあるイザベル学園に講演を頼まれて、すずやかな目で行儀よく座っている千三百人の高校生に、私は次のような話をした(以下、その講演の内容である)。

 日本と世界との関係を少し皆さんにお話ししましょう。日本は地図で分かるように小さな島国です。小さな日本は世界からたくさんいろんなことを学んできました。最初に学んだのはアジアの国から。特に韓国と中国の人たちから二千年間、ずーっと勉強してきました。私の山陰地方は長い間、アジア文化の窓口の役割をしてきて、それが日本の神話にも残されています。

 そして今から百五十年前、今度はヨーロッパ。イギリス、フランス、オランダ、ドイツから勉強することを始めました。そして今度は六十年前、不幸な第二次大戦のあと、アメリカから一生懸命学んできました。日本は、アジアから、ヨーロッパから、そしてアメリカから、どんどん勉強することばかりやってきた、世界で一番まじめな高校生です。日本という国は、反対に教えることが全然できなくて、よそから学ぶことばっかり続けて、日本はまだ先生にはなれませんけれども、先生になる前にアジアの国のいい友達になろうと、今、一生懸命努力しているところです。(中略)韓国と日本と中国と、この地域のアジアには二十一世紀、たくさんの楽しみが皆さんを待っています。
 
 世界のいろんな国を見てください。教育がない、技術がない、お金がない、そういう国がたくさんありますが、皆さんの韓国、私の日本。教育もある、技術もある、工場もある、大きな会社も銀行もある。必要なものがすべてそろっている国です。そういう発展していくアジアの中で、私たちはいいパートナー、いい友達になりたい、ということをさっき皆さんにお話しましたね。

 私には色紙を頼まれた時に書く、好きな言葉があります。「最もよく人を幸せにする人が、最もよく幸せになる」。自分だけが幸せになりたい、誰でも考えることです。しかし、自分が幸せになる前に人を幸せにできる人があるとすれば、そういう人こそ一番幸せな人ではないでしょうか。イギリスには、同じような意味で次のようなことわざがあります。「ミルクを飲む人よりも、ミルクを運ぶ人の方が健康になる」。ミルクを待っていて飲む、健康になります。しかし、その人のために今日も明日も明後日も、今朝のように雨が降っても風が吹いてもミルクを運んでる人、その人の方が先に健康になるというんです。

 皆さんも学校を卒業したら、喜ばれる喜び、人を幸せにできる幸せ、そしてミルクを運べる喜び、それを追いかける、そういう素晴らしい人に成長して下さい。そのことを期待して、そして韓国と日本が創る新しい千年の歴史を夢見ながら、私の講演を終わります。
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