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2024-07-31 23:08

韓国社会で起こっていること

真田 幸光 大学教員
 韓国では高額資産家の海外移住が増えており、今年の韓国の富裕層の純流出は世界で4番目に多いとの見方が示されています。英国の投資移民コンサルティング会社であるヘンリー・アンド・パートナーズは、「2024年版「個人資産移住リポート」を発表しましたが、韓国の高額純資産保有者の純流出が今年は1,200人で世界4位を記録すると予想しています。高額純資産保有者の流出入は流動性投資可能資産を100万米ドル以上保有した富裕層が他国で6カ月以上滞在する場合を基準にしています。

 このレポートによると、韓国よりも純流出人数が多いと見込まれるのは、中国本土(1万5,200人)、英国(9,500人)、インド(4,300人)の順となっています。韓国からの純流出は2022年の400人から2023年には800人に倍増して世界7位になり、今年は更に50%増加し、過去最多になると見られるとされています。韓国の富裕層の主な移住先は米国、オーストラリア、カナダなどとなっており、「自国を捨てて、先進国に行く富裕層が増えている。」ことが改めて示されていると韓国国内では見られているのであります。
 
 一方、韓国国内で正規雇用されている人のうち、10人中7人は転職を考えている-という調査結果も出ています。会社を移ろうと思う理由としては、「現在受け取っている賃金に満足していないから。」という回答が最も多かったそうです。これは、韓国経営者総協会(経総)が、韓国国内の20代から40代の正規雇用労働者1,500人を対象に調査した、「勤労者移職トレンド」によって示されたものであり、同調査によると、回答者の69.5%が、「現在転職を考慮している。」と答え、転職しようか悩んでいる理由(複数回答)としては、「金銭的報賞に対する不満」(61.5%)が最も多く挙げられ、続いて「過度の業務量」(32.7%)「自分の期待よりも低い社内評価」(27.4%)「会社の実績不振など未来に対する不安」(26.6%)「個人的成長」(25.7%)という順となっています。
 
 調査対象者に、転職が持つ意味を尋ねると、「年俸引き上げの手段」という回答が49.5%で最も多く、次いで、「個人的成長の機会」(31.8%)「力量検証の手段」(12.3%)という回答が続いています。経総は、「生涯の職場という概念が次第に薄れつつある状況である。企業は優秀な人材の離脱を防ぐため公正な評価・報賞システムを整備する必要がある。」と総括しています。韓国は、国家や組織に対するアイデンティティよりも個人の視点からのメリットディメリットが重要視される社会に更に転換しているようであります。
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