国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「議論百出」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2007-09-19 11:23

安全保障と地球貢献

岩國哲人  衆議院議員
 憲法をめぐる安全保障と国際貢献のあり方について述べてみたい。国連安保理の常任理事国になろうとした小泉内閣の試みは無惨な結果に終わった。日本がまずなすべきことは、二十一世紀、二十二世紀にも通用する自らの平和理念を憲法の中に掲げ、それを世界に明らかにしてのちに常任理事国に入ることこそが、そのまま国連改革の第一歩にもなるのではないか。

 まず、国民と国土を守るために「自衛隊」を設置することを憲法第九条第二項に明記し、自衛隊に憲法という鎖をつけて日本領域外での武力行使を禁じる。さらに、第三項に、「ただし、前二項の規定は、国連の指揮下で活動するための国際連合平和予備軍を国連加盟国の一員として保有すること、さらに国連の指揮下において、この国際連合平和予備軍が活動することを妨げるものではない」という条文を追加する。この第三項を追加することによって、自衛隊の性格と役割がわが国の「専守防衛」のためのものであることがより明確になるし、世界平和創出のための義務遂行が憲法の裏付けを持つことになり、有事法制などの関連法規の整備に関する国会内の思想的混乱も整理されることになるだろう。

 海外紛争には自衛隊の一部を使う待機部隊構想ではなく、自衛隊組織とは全く別の組織、別指揮系統の世界最強の(国連)平和予備軍を作り、「外-外は国連平和軍」、「外-内は自衛隊」、「内-内は警察」という三者の役割を明確にし、憲法の授業の中で、未来を支える次の世代に指針を与え、日本人としての誇りと希望を持たせること、これが教育の根本であり、世界平和への貢献ではないか。

 憲法議論と並行して日本が積極的に進めなければならないのは、世界で日本にしかできない、日本に最もふさわしい、「地球のドクター」というポストを確保することだ。一九九五年、日本が主唱し、出雲宣言で始まった宇宙衛星による「地球地図」が間もなく完成し、地球環境保護に貢献する。出雲市が創設した樹医制度が全国で一千人の樹木医に発展し、日本の森や樹木を守っているが、次は世界の森林と水を守ってくれるだろう。京都議定書も今年の二月に発効し、日本は地球温暖化防止の先頭に立つことになった。

 このような実績を踏まえれば、日本が農業国、森林国でありながら高い工業技術を持つ国として、地球の森林と水と大気を守る、いわば地球のドクターとしての地位をかち取ることは決して難しいことではない。自然を大切にしてきた日本人の民族的感性に最もふさわしい役目ではないか。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『議論百出』から他のe-論壇『百花斉放』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム