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2022-01-11 23:21

(連載1)世界的な実需原則の提言

真田 幸光 大学教員
 私は、2008年の洞爺湖サミット時に、当時の福田康夫政権に対して、「洞爺湖サミットで実需原則の必要性を世界に訴え、実需原則の世界的なルールと組織作りをして戴きたい。」とお願いしました。私の訴えは、当時の政権中枢には残念ながら届かなかったようですが、今、改めて、岸田政権に対して、今年のG7サミットで提言して戴きたいと考えています。
 
 つまりこういうことです。2008年に発生したリーマンショック以降、世界の主要各国政府が自国の経済危機を克服する為に、財政出動を伴う景気対策を打ちました。しかし、残念ながら、主要各国は当時、既に財政赤字の状態にあった為、国債などを通じて、借金をして資金調達することで、国家の危機を克服しようとしてきました。こうした経緯が現行の世界金融経済の背景にあります。
 
 そして御存知の通り、各国は2020年から拡大している新型コロナウイルス感染症によって強いられた経済活動の抑制策の副作用に対応する為に、更に財政出動を行いました。故に、現在の金融市場には、実体経済が必要とする資金を大きく上回る資金が存在し、フローで見た通貨供給量が過剰になる、即ち、所謂、バブル経済の状況となっています。そして、この過剰な余剰資金が、「投機性の資金」となり、私たち庶民が必要なモノやサービスに対しても大量になだれ込み、これこそが、「悪い物価上昇」の遠因となっているのです。昨今のこの「悪いインフレ」の最大の背景を私たちは忘れてはならないと思います。
 
 私は、世界の基軸通貨を発行している米国の金融当局は、上述したことを意識して、一気にこそ出来ないでしょうが、徐々に金融引き締めを実施し続けると見ています。米国は通貨供給の引き締め、バブルの調整を少しずつ始めていますが、それでは、物価の上昇を簡単には抑えきれず、その間に泣くのは弱者、即ち、一般庶民となってしまいます。(つづく)
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