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2021-03-26 19:46

(連載1)日韓問題 解決できるもの、難しいもの

岡本 裕明 海外事業経営者
 保守派の方は日韓関係の雪解けなど興味ない、ずっと氷結していてもよい、とご意見されるかと思いますが、世の中は常に流動しており、その流れはある程度吟味しておく必要があると思います。しばらく日韓関係の話題を振っていなかったのですが、いくつか気になる話題が出てきましたのでそれをまとめながら、行方を考えてみたいと思います。
 
 解決が難しいものとして挙げられるのは慰安婦問題です。マーク・ラムザイヤーハーバード大学教授の「太平洋戦争における性サービスの契約」について大論争が巻き起こり、同論文の国際学術誌への掲載が遅延されるか、困難になるかもしれません。反対の狼煙はもちろん、韓国側から強烈に発信されているのですが、論文を読んで反論している人はごくわずかで信条からの声が主流を占めているのが現状です。
 
 私も読んではいませんが、売春婦がどのように募集され、契約され、賃金が払われたかについては日本では研究書も証拠も研究成果もあるはずです。なぜか今回のラムザイヤー論文はその裏付けが薄いとされていますが事実はどうなのでしょうか?日本の学者との共同研究にしなかったのは思想的色合いがつくと思ったのでしょうか?これも対応を間違えると学術的にも押し込まれたという結果を生み、日本の研究者も学術的な支持の声を出すべきかと思います。慰安婦問題は何度も言うようですが、あの時の時代の判断を今の時代感覚に基づき善悪判断しようとすることにそもそもの無理があります。なぜ慰安婦が必要であったかと言えば戦時下にあって一般市民がレイプなどの被害にあわないようにするための当時としてはそれなりに考えられた対策であります。戦場で対峙する人間は究極的な精神状態に置かれているわけで当時としては被害を最小限に食い止めたと考えられます。議論のある慰安婦の「契約」の件ですが、私の長年の勉強の中で見る限り、何らかの契約はあったと考えています。さもないと「前金」の説明がつかないでしょう。但し、本人が知っていたかどうかは別で、お金を欲しくて親が娘を「人身御供」にしたことはあったようです。様々なケースがあったと思われ、個々で見ると判断基準がぶれると思われます。個人的には慰安婦問題は十分な歴史的背景と理解がされないままジェンダー問題の真っただ中である今日に至ったのが現実で、ことの中心は感情のしこりだけに解決は難しいかもしれません。
 
 一方で、徴用工問題は解決可能だと考えております。この問題の根本原因は100%、韓国側にあります。つまり、三権分立に基づいて青瓦台は裁判所の判断を尊重しなくてはいけないこと、そして、韓国社会の情緒法により歴史問題は時の空気に流されやすいことであります。文政権が踏み込めないのは裁判所の判決をひっくり返せないから「お手上げ」という姿勢を示していることでしょう。(つづく)
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