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2020-06-23 13:13

尖閣諸島は新型ミサイルASM-3で守れ

加藤 成一 元弁護士
 コロナ禍に隠れ、今や尖閣諸島周辺海域は大変危険で深刻な事態となっている。即ち、沖縄県尖閣諸島周辺海域に中国海警局の武装公船が連日侵入し、傍若無人の示威行動を強めているのみならず、5月上旬には中国公船が領海侵入し、日本漁船を3日間も追尾し、公然と主権侵害を行った。このように領海侵犯などを繰り返す中国側の意図は、尖閣諸島(中国名「釣魚島」)に対する「実効支配」を日本から奪い取り、日本に代わって、中国の「実効支配」を確立し、尖閣諸島を「奪取」することである。
 
 尖閣諸島は1895年1月日本政府の閣議決定で正式に日本の領土に編入された「日本固有の領土」であり、戦前は200人以上の日本人が居住し、鰹節の製造等を行い、「実効支配」をしてきたのである。これに対して、中国が領有権の主張を始めたのは、国連の報告書で東シナ海に石油埋蔵の可能性が指摘された1971年以後のことである。しかし、軍事力を拡大増強した中国は、南シナ海と同様に、東シナ海においても「力による現状変更」を試み、尖閣諸島の「実効支配」を日本から奪い取り、自国の「実効支配」を確立して、尖閣諸島の「奪取」を狙っており、今やその意図を隠そうともしない深刻な事態となっている。
 
 このような「尖閣奪取」を狙う中国に対しては、日本の「実効支配」を維持強化するため、海上保安庁による海上警備活動の一層の量的質的な充実強化と、陸海空自衛隊による制空権・制海権の確保が不可欠である。それと共に、尖閣諸島に近い石垣島などに早急にミサイル基地を設置し、尖閣周辺海域の中国艦船や中国公船に対する抑止力の強化を図る必要がある。これに関連して、防衛省が2017年に開発を完了した「国産超音速対艦ミサイルASM―3」は、F―2戦闘機に搭載し、音速の3倍のマッハ3以上の速度で艦船に迫り、迎撃は困難であるから、尖閣周辺での中国艦船等に対する強力な抑止力としての性能を備えている。
 
 上記ASM-3の射程距離は150キロ~200キロであるが、これを300キロ~400へと延伸する改良に着手し、2019年度から量産体制に入った。さらに、防衛省は上記ASM―3を米国から導入するF―35ステルス戦闘機に搭載することも念頭に置いている。中国も日本が独自に開発した上記ASM―3に注目しており、「尖閣奪取」を狙う中国にとっては、厄介で不都合な最新兵器と言えよう。したがって、搭載するF―35ステルス戦闘機の導入と共に、射程距離の更なる延伸と量産体制が整えば、上記ASM-3は中国に対する強力な抑止力となり、中国による侵略から「日本固有の領土」である尖閣諸島を守ることも可能となるのである。なお、防衛省は、2017年に護衛艦搭載型の対艦ミサイルの開発にも成功している。
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