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2007-06-13 21:24

年金のリコール運動を起こしたい

岩國哲人  衆議院議員
 「ブッシュの戦争」には最初から大義名分に疑問がつきまとっていました。直接のイラク開戦理由に使われた大量破壊兵器も、いまだに見つかっていません。発見されたのは大量破壊兵器ではなく、アメリカそのものが大量破壊兵器だったというお粗末。そのお粗末政権にひたすらすり寄るのが日本。「ミーも行くからユーも行かないか」と誘われると、「イエス、オフコース」で自衛隊を派遣。日米首脳会談で多国籍軍への参加を求められるとその場で返事。憲法の明確な裏付けもない、国会の了解もない、国民の合意もない返事をその場で相手国に渡すのは、パフォーマンスを通り越して、外交の失態です。「ゴマスリが過ぎる」という批判が吹きだしたのも無理はありません。

 国会開会中にも、そして閉会直後にも、支援者の方たちと地元で集会や勉強会をしました。今から三年前のことですが、イラク/自衛隊の問題と同じように話題となるのが年金問題でした。私の選挙区は横浜市北部の青葉区と緑区ですが、最近は男性の平均寿命が日本一ということの方でも注目されています。それだけに年金問題に関心が高いのはもっともなことです。

 年金法案の衆議院通過前、政府は「国民年金の月額保険料は、毎年280円ずつ引き上げ、2017年度に1万6900円の上限で固定。また、厚生年金の給付額は2023年度以降現役世帯の平均年収の50%を下限として確保する」と言っていたものが、隣の参議院に回ると、負担には上限がなく、給付には下限が保障されていないことが判明し、あげくの果てには年金法案の前提となっていた出生率1.32が、法案が参院を通過するのを待っていたかのように1.29という数字が発表され、「三つのゴマカシ」が総崩れ。上手な詐欺師ほど数字を多く並べるものだということが、国会でも実証されました。「百年の安心」どころか、「百年の心配」の種をまいているような年金改悪法案だったということがすぐに知れ渡ったことは不幸中の幸いでした。世論調査では70%の人が「ノー」と答えています。

 美容院経営の瀧坪さんと造園会社の白井社長から手が挙がりました。「自動車のリコール問題が毎日のように報道されてるけど、年金の方がもっと欠陥が多いじゃありませんか。私たちは年金のリコール運動を起こしたいが、先生はどう思いますか」。「年金リコール」と大書した手書きのポスターを自分たちの店や家の壁に張りたいのだと。「年金リコール」とは言い得て妙、大勢の人から拍手が起きました。外交はゴマスリ、年金はゴマカシ。ゴマスリとゴマカシの政治に日本の未来を託すことは出来ません。「凛とした日本」、あの明るく元気な日本をもう一度私たちの手に取り返し、次の時代にしっかりと引き継いでゆくためには、いまや改革どころか、革命が必要ではないかと思うこのごろです。
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