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2019-07-26 13:16

(連載1)アメリカはイランとどう立ち向かうのか?

岡本 裕明 海外事業経営者
 アメリカがイラン核合意から離脱したのが2018年5月。それから1年強経ち、イランのイライラは募り、7月1日にウランの貯蔵量を、7月7日にはウランの濃縮度を合意水準より引き上げるという声明を出しています。
 
 もともとは、トランプ大統領のイラン核合意離脱というサプライズ感のある発表がきっかけでした。その点では中国との貿易戦争と似た構図とも言えます。ただ、中国とは何らかの折り合いがつく可能性があるのは、合意による米中のウィンウィンの関係が生まれるからです。イランの場合には、アメリカに譲歩した場合どんなメリットがあるのか、といえばかなり限定的です。合意による緩和経済制裁の解除で緊張感の緩和ぐらいでしょうか。そしてその解除にはとても厳しい条件が付くことになるのですが、イランが本当にそれを飲めるのでしょうか。また、中国とアメリカはビジネスという観点からすれば双方向の行き来はありましたが、イランとアメリカは、もとが限定的な中でアメリカにとっても経済制裁を解除するメリットがどこにあるのか、見出しにくい気はします。つまりトリガー(きっかけ)がないところに今回の問題があります。
 
 私は、つねづね米中通商戦争よりイラン問題の方が深刻と申し上げております。それというのも、イランに関わる諸問題は解決策が取りにくいからであります。さらには、米中通商戦争は当事者の間だけの争いですが、イランとの関係は、イスラエルやサウジアラビア、そしてイラン核合意の当事者となっているほかの国々との関係もあり、切り口が多いという問題点もあります。
 
 こう見るとアメリカは世界の警官を止めた、と言いながら実質的には仕切りたいという願望が見て取れ、私には「世界の裁判官」に変質化をしているように感じます。(警官ならば多数の兵士を投入する必要がありますが、裁くだけなら少人数で最大効果が期待できます。)(つづく)
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