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2019-03-18 14:21

(連載1)米朝ベトナム会談失敗は双方、厳しい試練に

岡本 裕明 海外事業経営者
 ベトナムで行われた米朝首脳会談の2日目は、予想外の展開となりました。予定されていたワーキングランチがキャンセルされ、トランプ大統領の記者会見が2時間ほど前倒しになり、共同記者会見がなくなったという報が流れた時点で、この案件に注目していた方々にはあらかたの展開が想像できたでしょう。

 私も、そのあと開催された約40分にわたるトランプ大統領の記者会見と質疑を、食い入るように拝見しました。まず驚きだったのは、トランプ大統領の顔色が実に冴えなかったことです。珍しいぐらいシリアスだったと思います。記者会見の内容自体は報じられている通りですのでここでは割愛します。

 ここから考察です。まず、今回の米朝会談は、無理やり日程を入れた可能性が高い、と私は考えています。私は、本e-論壇2019年2月25日付け論考で「今回の会談の成果は大きなものにはならないと判断せざるを得ません。」と明確に期待を打ち消していました。非核化の定義と双方の歩み寄りについて、実務者ベースで進捗していなかったものを、トップ会談で打開しようと双方が考えたところにポイントがあります。ではなぜ、両者は急いだのでしょうか?北朝鮮は制裁が効き、経済的に苦しい中で、事態の打開を急がねばならないのは自明です。そして韓国の文大統領が背中を押していました。ここは分かります。ではトランプ氏ですが、私は、米中貿易交渉の決着をつけてから米朝首脳会談に臨むべき、と再三意見してきました。それなのに順番を変えたのは、大統領の目的が自身の政治的得点獲得である以外に考えられません。

 日本ではあまり報じられていませんが、首脳会談があった同日、アメリカではトランプ氏の元顧問弁護士、マイケル・コーエン氏が下院公聴会で7時間も締め上げられ、かなり下品な表現を使い、さまざまな暴露をしています。これがアメリカ的エンタテイメント要素をともなって、米朝首脳会談の話題は蚊帳の外でした。(つづく)
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