国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「議論百出」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2019-02-14 13:21

宇宙開発に見られる米中対立と日本、韓国について

真田 幸光 大学教員
 かねてから申し上げておりますように、米国のNASAでは、既にもう7~8年以上も前より、「宇宙を制する者が世界を制する!」という意味での、「世界的な制宙権争い」が拡大するとの認識を示していました。私がこうした議論を日本国内ですると、「そんな、とんでもない。」とのご批判をしばしば戴いていましたが、私は更に今、世界はこのような情勢に向かっていると考えています。

 そして、昨年顕在化した「米中の対立」の背景には、「米国が、中国本土が知的財産権の侵害をしている上に、その侵害した知的財産を、中国本土は事もあろうに、軍事開発、就中、宇宙開発に振り向けているという、強い疑惑の認識を持った。」ということにあり、実際に、中国本土は国際社会と協調せず、単独宇宙開発を推進、米露や日本などとは別に、昨年から、「単独で宇宙ステーション開発に入った。」ことが、昨年の米中対立激化の一つの大きな引き金となったとも私は見ています。こうしたことから、今後、「押したり引いたりの駆け引き」はあり、一旦沈静化、再び悪化、と言った変化はありましょうが、基本的には、いずれかが勝負の決着をつけぬ限り、「米中の覇権争いは続く。」と考えておくべきであると私は思います。

 実際に、このように中国本土との制宙権争いが拡大、米中覇権争いが顕在化する中、中国本土は、例えば、直近では、「月の裏側での探査」などを推進、月の宇宙基地化を推進する可能性も示唆しています。これに対して、米国のトランプ政権は、「宇宙軍の創設」を口にし始め、直近では、米国のミサイル防衛の中期的な指針となる、「ミサイル防衛見直し(MDR)」を発表する中、「音速の5倍(マッハ5)以上で飛ぶハイパーソニック(極超音速)兵器を開発するロシアと中国本土への対抗策を示し、宇宙空間を積極的に活用していく。」といった、具体的な方針を米国も打ち出し始めました。

 米国は同盟国や友好国とのミサイル防衛協力も強化する考えで、日本の役割拡大や負担増につながる可能性もあり、日本としては、韓国が国防白書で公式に、日本よりも中国本土がより重要な防衛パートナーであると示す中、米国との連携をここでしっかりと固めていく必要もあると私は考えています。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『議論百出』から他のe-論壇『百花斉放』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム