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2018-01-23 11:38

日本の立ち位置と中韓ついて

真田 幸光  大学教員
 日本にとって、国際社会に於けるカウンターパートとして大切な国は、「米国、中国本土」の二カ国が先ずは挙げられましょう。そして、そうした国々との関係を考えていく際、「韓国や台湾、東南アジア、南アジア諸国とのバランスのとれた外交姿勢」も不可欠となりましょう。更に、もちろん、欧州諸国が大切なことは言うまでもありません。しかし、私は日本国の基本として、私の持論でもありますが、「世界のスタンダードを今も握る英国との新日英同盟締結を図る」ことが先ずは不可欠であり、その結果、英国の下、53カ国が所属する英国連邦との連携もパワーゲームの中で生かしていくべきと考えています。更に、新日英同盟締結を前提として、小国ながらも力を持つ、「スイス、イスラエル、シンガポールとのデイールバイデイール、ケースバイケースでの連携による日本の立ち位置の調整」も不可欠と考えています。

 こうしたことを意識しつつ、しかし、日本にとって、対応しなければならない国として、存在しているのが、「大韓民国と中華人民共和国」となり、特に、直近の問題としての、「北朝鮮問題」が日本の目の前に横たわっている中では、私たちは、「中韓との適切な関係」を考えていかなくてはならない状況にあると私は考えています。こうした中、昨年12月に、わざわざ南京大虐殺の記念日に照準を合わせ、THAAD問題で中国本土から責め立てられている状況の打破を図るかのように、日本をスケープゴートにして、韓国の文在寅大統領は、中国本土を国賓として訪問しました。この中韓会談に関し、香港の主要紙であるサウス・チャイナ・モーニング・ポストは、文大統領がこの訪中と首脳会談の目的について、「中韓関係の正常化」と訪中前に明確に述べたとした上で、香港人から見た、注目ポイントは、(1)北朝鮮問題、(2)終末高高度防衛ミサイル(THAAD)問題、(3)韓国への団体観光禁止措置の全面解除の実現可否、(4)貿易問題、(5)日中韓3か国首脳会談、の五つであるとの見方を示していました。

 即ち、北朝鮮の核をどのように抑制するのか? THAAD問題については、悪化した中韓関係の改善に向けて両国は努力しているものの、中国本土が依然としてTHAAD関係で不満を抱いており、これが改善されるか? 文大統領が昨年6月にTHAAD追加配備の中止を表明したのに対し、中国本土政府はそれに加えて配備済みのTHAADを米国のミサイル防衛(MD)システムに編入させないことを約束するよう韓国に要求しており、韓国への団体観光禁止措置の全面解除にはまだ時間がかかるのではないか? 貿易問題は韓国にとっては重要であるが交易国をたくさん持ち、むしろ買い手市場的なポジションで、その交易国との貿易を操る中国本土に韓国は翻弄されないか? 信頼関係が薄いとみられる日中韓3カ国の連携は実際に進むのか? もし、日中韓連携が進むとすると、それを米露はどのように見るのであろうか? と言った点がポイントとなるように見られています。

 私はこうした見方に基本的には同意をしており、その上で、日本の国際社会の立ち位置を鳥瞰図的、複眼的に見つめ、決めていかなくてはならないと考えています。2018年の日本の外交政策の運営は更に難しいものとなりそうです。
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