国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「議論百出」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2007-03-31 09:24

連載投稿(2)米国が世界から嫌われる理由

青木 茂  著述業
 他方、世界にネガチブな影響を及ぼした諸国としては、イスラエル、イラン、米国、北朝鮮がこの順序で挙げられている。イランは調査の行われた28カ国中21カ国でネガチブな影響を及ぼしている国と見られているが、アラブ諸国ではむしろポジチブな影響を与えている国と見られている。これはイランが反米、反イスラエルの断固とした立場をとっているからであろう。

 米国と北朝鮮は28カ国中20カ国でネガチブに見られている。米国はその同盟国であるカナダ、英国、フランスですらネガチブに見られる傾向がある。しかし、ポーランド、ナイジェリア、フィリピン、ケニアでは米国はポジチブに見られている。とりわけポーランドは米国との経済関係緊密化を期待し、親米的姿勢が強く、イラクにも約3,000名の兵士を派遣している。

 米国、イスラエル、イラン、北朝鮮は以上のようにネガチブに見られているが、それはこれら諸国が紛争の平和的解決を求めず容易に武力に訴える傾向にあるとか、平和への脅威となる政策を維持しているためであると論評されている。米国のイラク攻撃、イスラエルのレバノン侵攻、パレスチナ占領、イラン、北朝鮮による核開発が問題にされているのである。まさにこの4カ国の間には共通点があるのである。

 ブッシュ大統領はかってイラン、イラク、北朝鮮を「悪の枢軸」と呼んだが、その米国自身今回のBBCの調査では「悪の枢軸」諸国と同列に考えられているのは皮肉である。米国にとってはサダム・フセイン打倒後の武力を用いた押さえつけ政策によるイラク統治の失敗、パレスチナ紛争において好戦的と思われているイスラエル支持の堅持が、世界から好感を持って迎えられない最大の理由であろう。かかる国際世論を考慮に入れて、米国がイラクからの早期撤退の実現とパレスチナにおける「二国家体制」実現への影響力行使に踏み切れば、世界の米国を見る目もポジチブなものに変わって行くであろう。(おわり)
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『議論百出』から他のe-論壇『百花斉放』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム