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2017-04-10 15:30

(連載1)中韓から見たアベノミクスについて

真田 幸光  大学教員
 政権に対する評価は様々です。見る視点が異なりますから、評価が様々であることで良いと思います。また、「政権全体」に対する評価も大切ですが、政権が遂行する個々の政策それぞれに対する評価も大切であります。そうした意味で現行の安倍政権に対する評価の中で、注意しなくてはならないのは、やはり、安倍政権が政策の軸に掲げ、遂行してきた「アベノミクス」ということになると私は考えています。

 ところで、このアベノミクスに対しては、日本に厳しい目を向け続ける中韓も、「中国本土は、経済成長率が鈍化してきている、韓国は通貨危機以降で最悪の経済低迷に苦しむと言う状況とは対称的に日本経済が“失われた20年”に終止符を打ち、日本は蘇った」との見方をしており、私はこれに注目をしています。

 確かに、表面的に見れば、日本経済では、青年が職場を選ぶほど雇用が戻り、企業が競争力を取り戻し、不動産・株式市場にも活気が戻っており、これらを背景に多くの経済指標が好転し、国全体が自信を回復していると海外では見られているようでありますが、果たして、私たち庶民感覚はどうでしようか? 前よりは改善、また、資金のある人には景気回復感がありましょうが、また、この副作用によって「格差拡大」している点も否めません。

 もう少し、中韓のコメントを眺めてみましょう。彼らの中には、「僅か4~5年前まで状況は正反対であった。例えば、中国本土は二桁経済成長を記録、また韓国も世界的な金融危機を早期に克服した成功モデルとして挙げられていたが、日本経済は瀕死の状態であった。日本は1990年代以降のデフレの罠に落ち、景気低迷に終わりが見えなかった。世界市場を追われた日本企業は三星電子、現代自動車に学ぼうと韓国研究に乗り出したりもしていた。中国本土企業に買収される日本企業も出た。そして、2011年3月には東日本巨大地震と福島原発事故が追い打ちをかけ、これが、昨今の東芝問題にまで影響を与えていることは否めない。そして、皆が日本の“失われた20年”は30年に延びると考えていた。しかし、そんな日本経済がアベノミクスによって劇的に復活している。驚異的である」との肯定的な見方をやや不満や嫉妬、そして皮肉も込めてしているのであります。如何でしょうか?(つづく)
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