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2017-03-06 14:33

(連載1)英米関係と米国の民主主義について

真田 幸光  大学教員
 私は、現行の秩序の変化を齎す要因として、欧州を起因とする現行の秩序の変化の可能性、及び民間企業がなすべき基本動作の他に、大きくあと三つの要素を懸念しています。但し、もちろん、現行の秩序の変化がそのまま社会に悪影響を与えるとは申しません。しかし、少なくとも、その変化の過程では社会全体に不透明感が漂い、悪影響を与える可能性は高いと思われる点は、留意しなければなりません。

 その上で、その三点とは何かと言えば、世界をリードする米国の民主主義そのものに問題が生じ始めていないか、世界をリードしてきた英米関係に亀裂が生じ始めていないか、そして過激派組織の動きが更に拡大しないか、と言う点であります。そして、今日は、このうちの米国の民主主義についてと英米関係について、概観しておきたいと思います。

 先ずは米国の民主主義について。米国は世界をリードする大国であり、民主主義、資本主義を標榜しながら、世界をリードしてきています。しかし、その米国の民主主義は、今はどうでしょうか? そもそも現代の大半の民主主義国家では、間接民主主義と直接民主主義の組み合わせが採用されています。そして、間接民主主義である議会制民主主義は民衆が信頼できると考えた人物を選出でき、選出された議員は一定の政策の自由度を持つ反面、民衆と議員の間の相違が生じ得ます。

 一方、直接民主主義である国民投票などの住民投票は、民衆のその時点の選択を明確に反映できる反面、専門的・複雑な議論には限界があり、現実的に実施できる設問や頻度などにも限界があると言われています。そして、これらの根幹を支える基本的行動原点に、「少数意見を出来る限り尊重した上での多数決による決議」があります。(つづく)
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