国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「議論百出」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2017-02-10 10:52

へーゲルの「アジアに見られてきた専制体制」に学ぶ現代アジア

真田 幸光  大学教員
 私は地球市民です。また、私はアジアに住む地球市民です。そしてまた、私はアジアの中の日本に住む地球市民です。その他の地域の地球市民との意思疎通と交流は、「世界の共通言語である英語、基軸通貨、国際的な法律基準、世界的なモノづくり基準、そして世界的な会計基準」といった、所謂「国際標準」を通じて行っており、その基軸には、私も私以外の人も「性善説」に基づいて「他者を尊重し、その潜在的な違いがあることは理解しつつ、しかし、国際標準に従って、意思疎通を図った上で、人間としての倫理観を最大限に守りながら交流していくことにある。」と私は確信しています。

 しかし、そうした一方で、人間は「生き残りたいとする生命欲という自然の摂理の中では、弱肉強食型の強者の論理」が通り易く、そこに「国際標準そのものが、強者の論理によって構築されてしまい、結果として、必ずしも公明正大なるものにはならない」といった危険性があり、だからこそ「特に強者は弱者をいたわる心を以って、国際標準を構築していく必要性がある」と私は考えています。

 こうした中、私は、しばしば「へーゲル」という人のアジアに関する見方に触れることがあります。へーゲルは、物事を体系化していく力に優れ、様々なことを「簡潔明瞭に表現していく力に優れている人」であると私は認識していますが、そのヘーゲルは「アジアに見られてきた専制体制」に関して、以下のようなポイントで体系化しています。即ち、専制君主共同体に対する貢納性がある。税金を納めたり、賦役、軍役によって、土地の代償とする。また、専制共同体は、その構成員に対して食糧生産に必要な灌漑対策、河川の整備、軍事的保護などを請け負う。最後に、全自然は人々の宗教的な尊崇の対象となる、といった形で纏め、表現しています。

 日本を含むアジアの社会には、本質的には、こうした自然を崇拝しつつ、互いを尊重する基盤があるはずでありますが、何故か、アジア人同士となると対立する、そしてその対立の隙間に他の地域の地球市民がつけ込み、アジアの中での対立を更に深めるように動いているように思えてなりません。総じて言えば、相対的には類似した共通項を持つアジア人同士の連携が見られてもよい時代になっていると私は思うのですが…。現実は難しいようです。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『議論百出』から他のe-論壇『百花斉放』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム